(No.192)

コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の集団発生(2)平成26年9月10日更新

 疫学状況

 2014年9月2日から9日までの間に、コンゴ民主共和国(DRC)から31人のエボラウイルス疾患(EVD)患者が報告され、累積数は62人(診断確定例14例、可能性例26例、疑い例22例)になります。死亡数の合計は35人(診断確定例9例、可能性例26例)になりました。疑い例の死亡はありません。9人の医療従事者がEVD症例と診断され、うち7人が死亡しました。全例Jeera郡からです。流行村落は、ワシ・ケンゴ、ロコリア、ブエンデ、ブエンデ・ムケです。9例(ロコリア4人、ワシ・ケンゴ2人、ブエンデ2人、ブエンデ・ムケ1人)が入院しました。合計386人の接触者がリストアップされ、そのうち239人は経過観察中です。全ての症例と接触者は2014年8月26日WHO(世界保健機関)に報告された初発患者と関連しています。


対策活動

 コンゴ民主共和国と南部アフリカ開発共同体(SADC)の保健省の間でEVD管理と伝播予防のための地方会議が開かれ、EVDの予防のための介入の標準化と国際的な交通を妨げることのない衛生的な国境管理の強化について推奨されました。
 政府指導のもと、国際社会は強力な後方支援として、専門家の派遣、器材や食糧の現場への輸送手段を提供し続けています。
 国家及び国際的専門家チームは地元の対応チームと連携するよう配置されました。患者はワシ・ケンゴやロコリア、ブエンデ、ブエンデ・ムケの一時的隔離施設で治療されています。国立生物学研究所(INRB)からの移動研究所は現在ロコリアに設置され稼働しています。米疾病予防管理センター(CDC)から二人の疫学者がDRCのINRBの現場チームを支援するために派遣されました。
 接触者の追跡調査は、医学疫学者や地域で働く人の監督のもと任命されたチームで実施されており、必要時は心理学者が訪問し地域住民と対話を行います。住民のリーダーを動員しての継続的な啓発活動が実施されています。
 今回の感染症情報で報告されたデータは、保健省により報告された公式情報に基づいています。これらの人数は、現在進行中の分類変更や後ろ向き調査、検査結果の状況により変更される場合があります。
EVDと確定診断された個人または患者と接触したケースを除いて、いかなる渡航や貿易を制限することをWHOは推奨していません。(適切に感染防護を実施した医療関係者、検査室職員は接触者には含まれません。)