(No.195)

アメリカ合衆国におけるエンテロウイルスD68    2014年9月17日更新情報

 2014年9月10日アメリカ合衆国は全米保健機構(PAHO)/世界保健機関(WHO)にエンテロウイルスD68 (EV-D68 )による重症呼吸器疾患の流行について報告しました。同月16日には130人の診断確定例が、アラバマ州、コロラド州、イリノイ州、インディアナ州、アイオワ州、カンサス州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミズーリ州、ニューヨーク州、オクラホマ州、ペンシルバニア州の合衆国12州から報告されました。他の多くの州での疑い例を含め現在調査中です。
EV-D68 は米国の限定された研究所で、分子(生物学的)技術により診断されます。EV-D68を含むエ ンテロウイルス感染症は国への届出義務はありませんが、検査室で診断されたエンテロウイルスとパレコウイルスの型は米国疾病予防管理センター(CDC)によって管理されているエンテロウイルス国家監視システムに自発的に報告されています。
現在では、EV-D68のワクチンや特効薬はなく、治療方法は対症療法です。EV-D68の症状は発熱、鼻水、くしゃみ、咳、筋肉痛などです。喘息や他の呼吸器疾患といった基礎疾患をもつ患者の場合、EV-D68感染により呼吸器症状が増悪する傾向(呼吸困難、喘鳴)があります。