(No.210)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(113)

 2014年10月16日更新情報です。
 サウジアラビア(SAU)の国際保健規則(IHR)担当窓口は、新たに中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症(MERS-CoV)の確定例を世界保健機関(WHO)に報告しました。
 疫学上の更新情報です。
 2014年9月29日から10月11日までの間にMERS-CoV感染例は、新たに7人報告され、そのうち1人が死亡しています。詳細は以下の通りです。
 タイフ市に住む69歳の男性は9月17日に発症しました。基礎疾患があり、動物との接触歴やラクダの生製品の消費に関しては現在調査中です。
 ジュバイル市に住む65歳の男性は9月24日に発症しました。基礎疾患があり、ラクダとの接触歴が頻繁にあり、ラクダの生の乳製品の食歴も頻繁にありました。
 Alhenakiah 市に住む70歳の男性は9月24日に発症しました。基礎疾患があり、ラクダとの接触歴が頻繁にあり、ラクダの生の乳製品の食歴も頻繁にありました。
 Geiya市に住む60歳の男性は10月1日に発症しました。基礎疾患があり、ラクダとの接触歴が頻繁にあり、ラクダの生の乳製品の食歴も頻繁にありました。
 ハラド市に住む51歳の男性は9月30日に発症し、10月5日に死亡しました。基礎疾患があり、ラクダとの接触歴が頻繁にあり、ラクダの生の乳製品の食歴も頻繁にありました。
 タイフ市に住む77歳の男性は10月3日に発症しました。基礎疾患があり、入院中に感染しました。
ナジュラーンに住む国籍のない50歳男性は10月3日に発症しました。動物との接触歴はないですが、ラクダ農場が非常に多い地域に住んでいました。
 これら発症者の家族の追跡調査は現在進行中です。
 さらに過去に報告したサウジアラビアのMERS-CoV感染例の中から4人が死亡したという報告もありました。
 症例はSAUが行った後ろ向き調査により判明しました。
 保健省の管轄でない病院の検査記録から辿った後ろ向き調査によると、SAUのIHR窓口では、さらに19人のMERS-CoV感染例と、うち11人の死亡が報告されています。これらの症例は2013年8月に発症した1人と、2014年3月に発症した2人、4月に発症した10人、5月に発症した6人が含まれています。
 さらにSAUの報告によりますと、15人中79%がサウジアラビア国籍で、16人がジェッダ在住、2人がアルカルジ在住、1人がザフラーン在住でした。年齢の中央値は56歳(27歳から89歳の幅)で、68%(19人中13人)が男性、11%(19人中2人)が医療従事者でした。
 これら19人の後ろ向き調査は流行のパターンや活動性を変化させる物ではなく、世界的な危険度評価も変化させるものではありません。
 さらにSAUはコホート調査の中で2014年の4月11日から6月9日の間に誤った1例をWHOに通知していました。1例が2回報告され、その結果、重複した症例であったことを報告しました。
 現在までに世界中からWHOに公式報告された患者は診断確定例877人と、同疾患に関連する死亡者は317人となっています。総症例数は、偽陽性の場合や、上記の報告にある重複した症例は削除されています。