(No.219)

マリにおけるエボラウイルス感染症発症例 2014年10月31日更新

 10月23日マリの保健省は世界保健機関(WHO)に対し、エボラウイルス感染症(EVD)の感染確定例を1人報告しました。この症例はマリでは初のEVD感染例です。

 詳細は以下の通りです。

 患児は2歳の女児で、恐らく10月19日ギニアのBeuilaから陸路でマリへ移動中に発症したと思われます。10月20日、患児はマリのカイにある医療施設に受診し、21日にカイのFousseyni Daou 病院に転院しました。22日マリの結核とエイズ研究センターで検体が採取され、EVDの検査が行われました。検査の結果、EVD陽性でした。確定検査がアトランタのアメリカ疾病予防センター(CDC)とセネガルのダカールにあるパスツール研究所で行われました。患児は24日に亡くなりました。

 現在、85人の接触者が同定され、経過観察中です。


公衆衛生対策
 
1.マリ政府の指揮下のもと、WHO、国境なき医師団、フランスの国際医療NGOであるALIMA、International Medical Corps(IMC)、Project Muso、マリのセーブ・ザ・チルドレン、他、国内外の専門家がバマコやカイに配置されました。

2.以下の目的のためWHOと保健省が合同で指令組織を配置しています。
(i)監視強化、接触者追跡、症例管理、安全な埋葬、社会的動員や物流管理を含めた調整の準備のため
(ii)マリ、バマコのワクチン開発センターで隔離施設の完成を早めるため
(iii)国民へ定期的な情報を提供するため

3.WHOは活動に優先順位を付け、パートナーとの役割や責務を議論するためにEVDの特別委員会による会議を開催しました。

4.地方当局は患者が入院した医療施設で働く職員のために研修活動を行っています。さらにこれらの施設で消毒と機器の交換が行われています。EVD症例に対する管理計画はFousseyni Daou病院で草案されました。


WHOとパートナーは保健省への支援を供給するため、追加で専門家を動員、配置しています。患者の支持療法や流行の制御のすべての面において必要な物資や物流が、動員されています。