エボラ対応のロードマップ関する状況報告8 平成26年10月31日更新
2014年10月31日、WHO(世界保健機関)は、エボラ対応のロードマップに関する状況報告を更新しました。
10月29日の時点で、合計13,567人のエボラウイルス疾患(EVD)の確定例、可能性例、疑い例が、感染を受けた6か国(ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネ、スペイン、アメリカ合衆国)と過去に感染を受けた2か国(ナイジェリア、セネガル)から報告されています。死亡者は4,941人です。ギニアの疑い例のほとんどが除外されたため、今回の報告数は29日の報告数よりも少なくなっています。
ロードマップの体系に沿って、国別の報告は2つのカテゴリーに分類されます。1つは、広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)、もう1つは、初期の症例が発生した国、あるいは局所的な感染伝播が発生している国(マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国)です。今回の更新より、スペインが追加となりました。また、西アフリカにおけるEVDの流行とは関連のない、別のEVDの流行が発生しているコンゴ民主共和国の状況についても示されています(別掲参照)。
1. 広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国
現在、合計13,540人のEVDの確定例、可能性例、疑い例と死亡者4,941人が、10月29日の終わりにギニア保健省とシエラレオネから、10月25日の終わりにリベリア保健省から報告されています(表1参照)。今回の流行が始まって以降、リベリアとシエラレオネにおける全ての地区で1人以上のEVD患者が報告されています(図1参照)。コートジボワールと国境を接するギニアとリベリアの8地区では、ギニアの1地区のみでEVDの確定例もしくは可能性例が現在も報告されています。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
※表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、現在進行中の再分類、遡及調査、検査結果の状況により、変更される場合があります。
図1:ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリにおけるEVD症例の地理的分布

※図1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。この地図に示された境界線や名前、使用された記号については、いかなる意味においてもWHOの見解を示すものではありません。これはすべての国、領域、都市、地域 の法的立場、またそれぞれの当局の法的立場を考慮してのことです。地図上の点線や破線は、現在完全な合意が得られていない可能性がある部分のおよその境界を示しています。
10月29日の時点で、合計523人の医療従事者(ギニア82人、リベリア299人、ナイジェリア11人、シエラレオネ127人、スペイン1人、アメリカ合衆国3人)がEVDを発症したことが確認されており、269人の医療従事者が死亡しました。
2. 初期の症例が発生した国、あるいは局所的な感染伝播が発生している国
現在、マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国の5か国において、広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国から入国してきた患者が報告されています(表2参照)。
ナイジェリアでは、20人の患者が発生して8人が死亡しました。セネガルでは、1人の患者が発生して死亡者はいません。両国は対策の成功により、セネガルは10月17日に、ナイジェリアは10月19日にEVD流行の終息が宣言されました。
マリでは、10月23日に最初のEVD確定例が報告されました。患者は、祖母と一緒にギニアからマリへ訪れた2歳の女児です。現在、85人の接触者が特定されて健康監視を受けています。
スペインでは、マドリッドで感染した1人の患者は、10月19日にEVD陰性が確認されました。2回目の陰性は10月21日に確認されました。2回目の陰性が確認されてから42日が経過して新たな症例が報告されなければ、スペインにおける流行の終息が宣言されます。接触者である83人の医療従事者の全員が、21日間の健康監視を終了しています。
アメリカ合衆国では、4人の患者と1人の死亡者が報告されています。最も新しい患者は、ボランティアでギニアへ渡航し、10月17日にニューヨークに戻った医療支援職員です。テキサス州ダラスの医療機関でEVD陽性患者を治療した後に感染した2人の医療従事者は、2回の検査でEVD陰性が確認されて退院しています。接触者176人のうち、99人が健康監視を受けており、77人は21日間の健康監視を終了しています。
表2.マリ、スペイン、アメリカ合衆国におけるEVD症例数と死亡者数
※ 表2のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、現在進行中の再分類、遡及調査、検査結果の状況により、変更される場合があります。
別掲. コンゴ民主共和国におけるエボラ流行
2014年10月28日現在、コンゴ民主共和国において、過去の検査結果を検証した結果、68人のEVD症例(確定例38人、可能性例28人)が報告されており、このうち8人が医療従事者です。また、合計49人の死亡者が報告されており、このうち8人が医療従事者でした。
現在、新たな健康監視対象者の発生はありません。最後に報告された症例の二度目の検査で陰性が確認されてから20日が経過し、退院しています。42日が経過して新たな症例が報告されなければ、コンゴ民主共和国における流行の終息が宣言されます。この流行は、西アフリカで発生している流行とは関連がありません。
10月29日の時点で、合計13,567人のエボラウイルス疾患(EVD)の確定例、可能性例、疑い例が、感染を受けた6か国(ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネ、スペイン、アメリカ合衆国)と過去に感染を受けた2か国(ナイジェリア、セネガル)から報告されています。死亡者は4,941人です。ギニアの疑い例のほとんどが除外されたため、今回の報告数は29日の報告数よりも少なくなっています。
ロードマップの体系に沿って、国別の報告は2つのカテゴリーに分類されます。1つは、広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)、もう1つは、初期の症例が発生した国、あるいは局所的な感染伝播が発生している国(マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国)です。今回の更新より、スペインが追加となりました。また、西アフリカにおけるEVDの流行とは関連のない、別のEVDの流行が発生しているコンゴ民主共和国の状況についても示されています(別掲参照)。
1. 広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国
現在、合計13,540人のEVDの確定例、可能性例、疑い例と死亡者4,941人が、10月29日の終わりにギニア保健省とシエラレオネから、10月25日の終わりにリベリア保健省から報告されています(表1参照)。今回の流行が始まって以降、リベリアとシエラレオネにおける全ての地区で1人以上のEVD患者が報告されています(図1参照)。コートジボワールと国境を接するギニアとリベリアの8地区では、ギニアの1地区のみでEVDの確定例もしくは可能性例が現在も報告されています。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
国名 |
症例定義 |
症例数 |
死亡者数 |
ギニア |
確定例 |
1,409 |
未確定 |
可能性例 |
204 |
未確定 |
|
疑い例 |
54 |
未確定 |
|
国別総数 |
1,667 |
1,018 |
|
リベリア |
確定例 |
2,515 |
未確定 |
可能性例 |
1,540 |
未確定 |
|
疑い例 |
2,480 |
未確定 |
|
国別総数 |
6,535 |
2,413 |
|
シエラレオネ |
確定例 |
3,778 |
未確定 |
可能性例 |
322 |
未確定 |
|
疑い例 |
1,238 |
未確定 |
|
国別総数 |
5,338 |
1,510 |
|
総数 |
13,540 |
4,941 |
※表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、現在進行中の再分類、遡及調査、検査結果の状況により、変更される場合があります。
図1:ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリにおけるEVD症例の地理的分布

※図1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。この地図に示された境界線や名前、使用された記号については、いかなる意味においてもWHOの見解を示すものではありません。これはすべての国、領域、都市、地域 の法的立場、またそれぞれの当局の法的立場を考慮してのことです。地図上の点線や破線は、現在完全な合意が得られていない可能性がある部分のおよその境界を示しています。
10月29日の時点で、合計523人の医療従事者(ギニア82人、リベリア299人、ナイジェリア11人、シエラレオネ127人、スペイン1人、アメリカ合衆国3人)がEVDを発症したことが確認されており、269人の医療従事者が死亡しました。
2. 初期の症例が発生した国、あるいは局所的な感染伝播が発生している国
現在、マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国の5か国において、広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国から入国してきた患者が報告されています(表2参照)。
ナイジェリアでは、20人の患者が発生して8人が死亡しました。セネガルでは、1人の患者が発生して死亡者はいません。両国は対策の成功により、セネガルは10月17日に、ナイジェリアは10月19日にEVD流行の終息が宣言されました。
マリでは、10月23日に最初のEVD確定例が報告されました。患者は、祖母と一緒にギニアからマリへ訪れた2歳の女児です。現在、85人の接触者が特定されて健康監視を受けています。
スペインでは、マドリッドで感染した1人の患者は、10月19日にEVD陰性が確認されました。2回目の陰性は10月21日に確認されました。2回目の陰性が確認されてから42日が経過して新たな症例が報告されなければ、スペインにおける流行の終息が宣言されます。接触者である83人の医療従事者の全員が、21日間の健康監視を終了しています。
アメリカ合衆国では、4人の患者と1人の死亡者が報告されています。最も新しい患者は、ボランティアでギニアへ渡航し、10月17日にニューヨークに戻った医療支援職員です。テキサス州ダラスの医療機関でEVD陽性患者を治療した後に感染した2人の医療従事者は、2回の検査でEVD陰性が確認されて退院しています。接触者176人のうち、99人が健康監視を受けており、77人は21日間の健康監視を終了しています。
表2.マリ、スペイン、アメリカ合衆国におけるEVD症例数と死亡者数
国名 |
症例定義 |
症例数 |
死亡者数 |
マリ |
確定例 |
1 |
1 |
可能性例 |
0 |
0 |
|
疑い例 |
0 |
0 |
|
国別総数 |
1 |
1 |
|
スペイン |
確定例 |
1 |
0 |
可能性例 |
0 |
0 |
|
疑い例 |
0 |
0 |
|
国別総数 |
1 |
0 |
|
アメリカ合衆国 |
確定例 |
4 |
1 |
可能性例 |
0 |
0 |
|
疑い例 |
0 |
0 |
|
国別総数 |
4 |
1 |
|
総数 |
6 |
2 |
※ 表2のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、現在進行中の再分類、遡及調査、検査結果の状況により、変更される場合があります。
別掲. コンゴ民主共和国におけるエボラ流行
2014年10月28日現在、コンゴ民主共和国において、過去の検査結果を検証した結果、68人のEVD症例(確定例38人、可能性例28人)が報告されており、このうち8人が医療従事者です。また、合計49人の死亡者が報告されており、このうち8人が医療従事者でした。
現在、新たな健康監視対象者の発生はありません。最後に報告された症例の二度目の検査で陰性が確認されてから20日が経過し、退院しています。42日が経過して新たな症例が報告されなければ、コンゴ民主共和国における流行の終息が宣言されます。この流行は、西アフリカで発生している流行とは関連がありません。