海外感染症情報

2014年11月20日から12月7日までの間、サウジアラビア(KSA)の国際保健規則(IHR)担当窓口は世界保健機関(WHO)に死亡者4人を含む、中東呼吸器症候群(MERS-CoV)感染確定例11人を追加で報告しました。
詳細は以下の通りです。
1．タイフ市に住む70歳の男性が11月27日に発症し、12月2日に入院しました。患者はラクダとの接触歴はありませんが、家族には頻繁な動物との接触歴がありました。患者は合併症がありますが、発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。現在、集中治療室（ICU）で重篤な状態です。
2．リヤド市に住む71歳の男性が11月26日に発症し、11月28日に入院しました。発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。現在、ICUで重篤な状態です。
3．ブライダー市に住む52歳の男性が11月24日に発症し、11月26日に入院しました。患者は合併症がありますが、発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。ICUに入院していましたが、11月29日に死亡しました。
4．ナジュラーン市に住む28歳の外国人男性は11月27日に発症し、11月30日に入院しました。合併症はありませんが、頻繁に動物との接触歴がありました。患者はラクダがたくさん生息する地域に住んでいましたが、ラクダとの接触歴はありません。発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。現在、ICUで重篤な状態です。
5．ラフハー市に住む62歳の男性は11月22日に発症し、11月25日に入院しました。合併症はありませんが、頻繁にラクダや羊との接触歴があり、それらの製品を消費していました。発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。現在、隔離病棟で安定した状態です。
6．サカーカ市に住む34歳の外国人男性は11月18日に発症し、11月23日に入院しました。合併症はありませんが、以前報告したMERS-CoV感染例との接触歴があります。発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。現在、ICUで安定した状態です。
7．タイフ市に住む40歳の男性は11月26日に発症し11月27日に入院しました。合併症はなく、発症14日以内に他の感染曝露歴もありません。患者は医療施設で働いていますが、その医療施設ではMERS-CoV確定例の治療は行っておりません。現在、隔離病棟で安定した状態です。
8．アルカルジに住む79歳の女性は10月31日から慢性の腎疾患で入院しており、11月20日にMERS-CoVを発症しました。入院している間の11月9日にMERS-CoV確定例と病室が一緒でした。発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。ICUに入院していましたが、12月1日に死亡しました。
9．タイフ市に住む42歳の外国人男性は11月17日に発症し、11月20日に入院しました。慢性疾患で11月8日に医療施設に受診しています。発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。ICUに入院していましたが、11月28日に死亡しました。
10．タイフ市に住む58歳の男性は11月15日に発症し、11月20日に入院しました。合併症はありますが、発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。隔離病棟に入院していましたが、12月7日に死亡しました。
11．アルカルジに住む48歳の女性は11月18日に発症しました。以前報告されたMERS-CoV確定例の同居接触者です。発症14日以内に他の感染曝露歴はありません。現在、ICUに入院しており、安定した状態です。
これらの症例について、患者家族や濃厚接触した医療従事者の追跡調査は継続中です。
また、サウジアラビア(KSA)の国際保健規則(IHR)担当窓口は、以前WHOに報告したMERS-CoV診断確定例の中で1人の死亡が出たことを報告しました。
現在、少なくとも343人の関連死を含む、938人のMERS-CoV感染診断確定例がWHOに報告されています。