エボラ対応のロードマップに関する状況報告19 平成26年12月24日更新
2014年12月24日、WHO(世界保健機関)は、エボラ対応のロードマップに関する状況報告を更新しました。
12月21日の時点で、合計19,497人のエボラウイルス疾患(EVD)の確定例、可能性例、疑い例が、感染を受けた4か国(ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリ)と過去に感染を受けた4か国(ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国)から報告されています。死亡者は7,588人です。
報告された症例の発生割合は、ギニアで変動傾向、リベリアで減少傾向を示しています。シエラレオネでは、症例の発生割合の増加は鈍化しており、これ以上は増加しないかもしれません。現在、シエラレオネ西部は、感染国の中でも最も強烈な感染伝播を経験しており、疾病の蔓延を抑制するために対策が強化されています。最も感染伝播が継続している3か国全体における報告された症例の致死率は70%です。これらの国々への対応活動は、国連エボラ緊急対応ミッション(UNMEER)1の目標である安全かつ尊厳ある埋葬を100%実施すること、2015年1月1日までにEVD患者を100%隔離することに沿って継続・進展してきました。国レベルでは、EVD患者を隔離して治療する収容能力は、緊急対応の開始以来、3か国すべての国で改善されました。各国が患者を隔離するための収容能力を十分に有している一方で、ベッドや症例数の地理的分布の不均等が、いくつかの地域で持続的な不足をもたらしています。収容能力がいくつかの地域で不十分な可能性はありますが、エボラで死亡したすべての人々を埋葬するための能力は十分に有しています。訓練された埋葬チームの数は、過去数ヶ月間で大幅に成長しています。3か国でEVD症例が報告されている全ての地域では、採取された検体が24時間以内に検査できる環境が整備されています。地域レベルでの相違はありますが、3か国すべてでこれまでに報告されたEVD症例の接触者の90%以上が追跡調査されています。いくつかの地域では、EVD症例の接触者の追跡割合が低い状態です。
1. 広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国
現在、合計19,463人のEVDの確定例、可能性例、疑い例と死亡者7,573人が、12月21日の終わりにギニア保健省とシエラレオネ保健省から、12月20日にリベリア保健省から報告されています(表1参照)。このデータは、WHOの各国事務局から報告されたものです。
人口割合で症例数を考えた場合、ギニアは人口10万人あたり症例数24・死亡数15、リベリアは人口10万人あたり症例数199・死亡数85、シエラレオネは人口10万人あたり症例数157・死亡数45となっています。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
※表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、現在進行中の再分類、遡及調査、検査結果の状況により、変更される場合があります。
確定例と可能性例における蓄積された層別化分析では、男女比はほぼ同じです。人口10万人あたり、男性の症例数は73、女性の症例数は75でした(表2参照)。
全体にわたって、15~44歳の人は、小児と比較して感染を受ける可能性が3倍高く(0-14歳:人口10万人対32、15-44歳:10万人対95)、45歳以上は小児と比較して感染を受ける可能性が4倍高いです(人口10万人対120)。これは大きく影響があった3か国全てに当てはまります。
表2. ギニア、リベリア、シエラレオネの確定例と可能性例における男女別・年齢別症例数
※表2のデータの人口数値は、国連経済社会局に基づいています。*性別データがないものは除きます。♯年齢データがないものは除きます。
図1:ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリにおけるEVD症例の地理的分布

※図1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。この地図に示された境界線や名前、使用された記号については、いかなる意味においてもWHOの見解を示すものではありません。これはすべての国、領域、都市、地域 の法的立場、またそれぞれの当局の法的立場を考慮してのことです。地図上の点線や破線は、現在完全な合意が得られていない可能性がある部分のおよその境界を示しています。
12月21日の時点で、合計649人の医療従事者がEVDに感染したことが確認されており、このうち366人が死亡しました(表3参照)。この数は、マリ2人、ナイジェリア11人、スペインでエボラ陽性患者治療の過程で感染した1人、アメリカ合衆国3人(うち1人はギニアで感染、2人はテキサス州で患者治療の過程で感染)が含まれています。12月21日の週に7人の医療従事者の感染が報告されており、ギニア6人(コヤ5人、カンカン1人)、リベリア1人(モントセラード)となっています。
表3. ギニア、リベリア、シエラレオネにおける医療従事者のEVD症例数と死亡者数
※表2のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、現在進行中の再分類、遡及調査、検査結果の状況により、変更される場合があります。
2. 初期の症例が発生した国、あるいは局所的な感染伝播が発生している国
現在、マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国の5か国において、広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国からの輸入例が報告されています。マリでは、6人の死亡者を含む合計8人の患者が報告されました(表3参照)。直近の患者7人は、首都バマコからの報告であり、10月24日に死亡した初発患者との関連はありません。最後に診断確定された患者は、12月6日に2回目の検査で陰性が確認され、12月11日に退院しました。カイで発生した患者とバマコで発生した患者との接触者は、全員が21日間の健康監視を終了しました。
セネガルは10月17日に、ナイジェリアは10月19日、スペインは12月2日、アメリカ合衆国は12月22日にEVD流行の終息が宣言されました。
表3.マリにおけるEVD症例数と死亡者数
※ 表3のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、現在進行中の再分類、遡及調査、検査結果の状況により、変更される場合があります。
12月21日の時点で、合計19,497人のエボラウイルス疾患(EVD)の確定例、可能性例、疑い例が、感染を受けた4か国(ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリ)と過去に感染を受けた4か国(ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国)から報告されています。死亡者は7,588人です。
報告された症例の発生割合は、ギニアで変動傾向、リベリアで減少傾向を示しています。シエラレオネでは、症例の発生割合の増加は鈍化しており、これ以上は増加しないかもしれません。現在、シエラレオネ西部は、感染国の中でも最も強烈な感染伝播を経験しており、疾病の蔓延を抑制するために対策が強化されています。最も感染伝播が継続している3か国全体における報告された症例の致死率は70%です。これらの国々への対応活動は、国連エボラ緊急対応ミッション(UNMEER)1の目標である安全かつ尊厳ある埋葬を100%実施すること、2015年1月1日までにEVD患者を100%隔離することに沿って継続・進展してきました。国レベルでは、EVD患者を隔離して治療する収容能力は、緊急対応の開始以来、3か国すべての国で改善されました。各国が患者を隔離するための収容能力を十分に有している一方で、ベッドや症例数の地理的分布の不均等が、いくつかの地域で持続的な不足をもたらしています。収容能力がいくつかの地域で不十分な可能性はありますが、エボラで死亡したすべての人々を埋葬するための能力は十分に有しています。訓練された埋葬チームの数は、過去数ヶ月間で大幅に成長しています。3か国でEVD症例が報告されている全ての地域では、採取された検体が24時間以内に検査できる環境が整備されています。地域レベルでの相違はありますが、3か国すべてでこれまでに報告されたEVD症例の接触者の90%以上が追跡調査されています。いくつかの地域では、EVD症例の接触者の追跡割合が低い状態です。
1. 広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国
現在、合計19,463人のEVDの確定例、可能性例、疑い例と死亡者7,573人が、12月21日の終わりにギニア保健省とシエラレオネ保健省から、12月20日にリベリア保健省から報告されています(表1参照)。このデータは、WHOの各国事務局から報告されたものです。
人口割合で症例数を考えた場合、ギニアは人口10万人あたり症例数24・死亡数15、リベリアは人口10万人あたり症例数199・死亡数85、シエラレオネは人口10万人あたり症例数157・死亡数45となっています。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
国名 |
症例定義 |
症例数 |
21日以内の 症例数 |
死亡者数 |
ギニア |
確定例 |
2,284 |
328 |
1,344 |
可能性例 |
263 |
未報告 |
263 |
|
疑い例 |
50 |
未報告 |
0 |
|
国別総数 |
2,597 |
328 |
1,607 |
|
リベリア |
確定例 |
3,085 |
121 |
未確定 |
可能性例 |
1,757 |
未報告 |
未確定 |
|
疑い例 |
3,020 |
未報告 |
未確定 |
|
国別総数 |
7,862 |
212 |
3,384 |
|
シエラレオネ |
確定例 |
7,017 |
1,039 |
2,216 |
可能性例 |
287 |
未報告 |
208 |
|
疑い例 |
1,700 |
未報告 |
158 |
|
国別総数 |
9,004 |
1,039 |
2,582 |
|
総数 |
19,463 |
1,488 |
7,573 |
確定例と可能性例における蓄積された層別化分析では、男女比はほぼ同じです。人口10万人あたり、男性の症例数は73、女性の症例数は75でした(表2参照)。
全体にわたって、15~44歳の人は、小児と比較して感染を受ける可能性が3倍高く(0-14歳:人口10万人対32、15-44歳:10万人対95)、45歳以上は小児と比較して感染を受ける可能性が4倍高いです(人口10万人対120)。これは大きく影響があった3か国全てに当てはまります。
表2. ギニア、リベリア、シエラレオネの確定例と可能性例における男女別・年齢別症例数
国名 |
症例数 |
||||
性別* (人口10万人対) |
年齢別♯ (人口10万人対) |
||||
男性 |
女性 |
0-14歳 |
15-44歳 |
45歳以上 |
|
ギニア |
1,156 |
1,218 |
371 |
1,360 |
622 |
(21) |
(22) |
(8) |
(29) |
(40) |
|
リベリア |
2,538 |
2,444 |
831 |
2,653 |
1,015 |
(128) |
(124) |
(48) |
(155) |
(190) |
|
シエラレオネ |
3,843 |
4,101 |
1,635 |
4,520 |
1,777 |
(135) |
(141) |
(67) |
(175) |
(241) |
|
総数 |
7,537 |
7,763 |
2,837 |
8,533 |
3,414 |
(73) |
(75) |
(32) |
(95) |
(120) |
図1:ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリにおけるEVD症例の地理的分布

※図1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。この地図に示された境界線や名前、使用された記号については、いかなる意味においてもWHOの見解を示すものではありません。これはすべての国、領域、都市、地域 の法的立場、またそれぞれの当局の法的立場を考慮してのことです。地図上の点線や破線は、現在完全な合意が得られていない可能性がある部分のおよその境界を示しています。
12月21日の時点で、合計649人の医療従事者がEVDに感染したことが確認されており、このうち366人が死亡しました(表3参照)。この数は、マリ2人、ナイジェリア11人、スペインでエボラ陽性患者治療の過程で感染した1人、アメリカ合衆国3人(うち1人はギニアで感染、2人はテキサス州で患者治療の過程で感染)が含まれています。12月21日の週に7人の医療従事者の感染が報告されており、ギニア6人(コヤ5人、カンカン1人)、リベリア1人(モントセラード)となっています。
表3. ギニア、リベリア、シエラレオネにおける医療従事者のEVD症例数と死亡者数
国名 |
症例数 |
死亡者数 |
ギニア |
139 |
72 |
リベリア |
367 |
177 |
シエラレオネ |
143 |
110 |
総数 |
649 |
359 |
※表2のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、現在進行中の再分類、遡及調査、検査結果の状況により、変更される場合があります。
2. 初期の症例が発生した国、あるいは局所的な感染伝播が発生している国
現在、マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国の5か国において、広範囲に及ぶ深刻な感染伝播が発生している国からの輸入例が報告されています。マリでは、6人の死亡者を含む合計8人の患者が報告されました(表3参照)。直近の患者7人は、首都バマコからの報告であり、10月24日に死亡した初発患者との関連はありません。最後に診断確定された患者は、12月6日に2回目の検査で陰性が確認され、12月11日に退院しました。カイで発生した患者とバマコで発生した患者との接触者は、全員が21日間の健康監視を終了しました。
セネガルは10月17日に、ナイジェリアは10月19日、スペインは12月2日、アメリカ合衆国は12月22日にEVD流行の終息が宣言されました。
表3.マリにおけるEVD症例数と死亡者数
国名 |
確定例 |
可能性例 |
疑い例 |
死亡者数 |
医療従事者の割合 |
健康監視中の接触者数 |
マリ |
7 |
1 |
0 |
6 |
25% |
0 |
※ 表3のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、現在進行中の再分類、遡及調査、検査結果の状況により、変更される場合があります。