(No.254)

英国におけるエボラ出血熱発生例

 2014年12月29日、英国の国際保健規則(IHR)担当窓口は、世界保健機関(WHO)に対してエボラ出血熱の診断確定例を報告しました。これは英国における初発例となります。

 患者は、シエラレオネのエボラ治療センターからロンドンに戻ったボランティアの医療従事者の女性です。グラスゴ-に12月28日到着する前、モロッコのカサブランカを経由して、フリータウンからロンドンに帰国しています。帰路においてエボラ出血熱の感染症状は認めていませんでしたが、ロンドンに到着する頃には熱があったと推測されているとのことです。発熱と筋肉痛をみとめるようになり、グラスゴ-のガートナベル病院のブラウンリー感染症科(Brownlee Unit for Infectious Diseases)に入院し、29日午前には隔離処置がとられましたが、30日に、より高度な隔離施設が整っているロンドンのロイヤル・フリー病院(Royal Free Hospital)に転院となりました。

 政府の専門機関により、特にヒースロー経由でスコットランドへのフライトでの接触者について調査が行われ、保健対策の強化が実施されています。

 WHOは、英国の専門機関と密に接触し、モロッコを含む関連した国々との情報共有を進めています。