(No.16)

中国における鳥インフルエンザA(H7N9)について(107)
2015年2月8日更新情報

 2015年2月4日中国の国家衛生家族計画(出産)委員会(NHFPC)は、新たに83例の鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)の診断確定例を世界保健機関(WHO)に報告しました。2014年12月20日から2015年1月27日に発生した症例です。下記は週別の発症83例の内訳です。
 ・ 2014年12月20日 2例
 ・ 2014年第52週(12月22日~28日) 8例
 ・ 2015年第1週(2014年12月29日~2015年1月4日) 16例
 ・ 2015年第2週(1月5日~11日) 21例
 ・ 2015年第3週(1月12日~18日) 20例
 ・ 2015年第4週(1月19日~25日) 13例
 ・ 2015年1月26日~27日 3例
 年齢は1歳から88歳で中央値は56歳です。83例のうち19例が死亡し、年齢は7歳から78歳で中央値は50歳でした。83例中60例が男性でした。大多数(93%にあたる78例)が生きた家禽との接触もしくは家禽市場での曝露があり、4例は不明でした。3家族では複数発生が報告され、それぞれ各2名の発生が報告されています。いずれも全員、生きた家禽または家禽市場での曝露がありました。
 8つの行政区からの報告例は以下の通りです:
 福建省(30)、広東省(30)、江蘇省(7)、江西省(1)、山東省(1)、上海市(2)、
 新疆ウイグル自治地区(1)、浙江省(11)

 中国政府は、以下のようなサーベイランスと対策を実施しています。
  ・ サーベイランス及び状況分析の強化
  ・ 患者管理と治療の再強化
  ・ 市民とのリスクコミュニケーションと情報の提供
 WHOは、中国と緊密な協力のもと、疫学的状況の監視と、さらなる最新の情報に基づくリスク評価を管理しています。
 鳥インフルエンザA(H7N9)の散発感染例は、流行した近隣の地域でさらに起こりうると考えられます。流行地域から海外へ渡航する場合、渡航中もしくは到着後に感染が発覚(検出)するかもしれません。もし以上のことが起こったとしても、ウイルスがヒト-ヒト間で容易に伝播しうる能力を有していないと見られるため、コミュニティ・レベルでの拡散(拡がり)は起こりそうにないと考えられます。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China, 8 February 2015
  http://www.who.int/csr/don/8-february-2015-avian-influenza/en/