(No.39)

ウガンダにおける腸チフス
2015年3月17日更新

 2015年2月24日ウガンダの保健省はWHO(世界保健機関)腸チフスの流行を報告しました。
今回の流行の起こり始めは、2015年はじめ、カンパラからです。3月5日の時点で1940人の疑い例が報告されています。カンパラの初発例の発生地から現在では首都やその近隣まで拡がっています。20歳から39歳までの若年男子での感染者が多くなっています。多くの患者は民間企業の勤務者や日雇い労働者です。食品、ジュースを売る人や調理人も感染しており、さらに拡大する可能性があります。今回の流行の初期に16検体中、4検体で腸チフス菌(S.typhi)が陽性となっています。またこれまでの検査で、パラチフスA(s.paratyphiA)も5回分離されています。細菌によって汚染された水やジュースが主な感染源であることが分かっています。また検査された水源は大腸菌や糞便によっても汚染されていることが確認されています。

公衆衛生対策
 今回の流行への対処として国家緊急対策部隊が発足しています。WHO,UNICEF,CDC,AFENET(アフリカ野外疫学ネットワーク),赤十字等の協力のもと疾病のコントロール手段の強化が行われ、患者治療も実施されています。追跡調査は改善され、政策決定のための根拠に基づいた指針を提供する為、発生状況のモニターが実施されています。安全でない水源は閉鎖され、流行に的を絞った対策計画が完遂されつつあります。流行地域に対して安全な水が提供されており、国民に対して行動規範を示すべく社会的動員がなされています。

 WHOは今回の流行についての現状の情報から判断してウガンダへの渡航や交易についていかなる制限も推奨はしていません。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Typhoid fever – Uganda, 17 March 2015
  http://www.who.int/csr/don/17-march-2015-uganda/en/