(No.49)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(143)-サウジアラビア
2015年4月16日更新

 2015年4月2日から12日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口は死亡者2人を含む中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例4人をWHO(世界保健機関)に追加で報告しました。
症例は報告日ごとに掲載され、直近の症例が最初に掲載されています。

 4人の患者の詳細は以下の通りです。
 1.ハーイル(Hail)市在住の82歳の男性は3月26日に発症し、4月2日に入院しました。患者は改善の兆し
  がなかったため4月4日にリヤド(Riyadh)市の病院へ転院しました。基礎疾患を持っていた患者は4月
  12日に死亡しました。発症前14日間における既知の危険因子への曝露歴については調査中です。
 2.リヤド(Riyadh)市在住の65歳女性は4月3日に発症し、同日入院しました。基礎疾患を持っていた患
  者は4月5日に死亡しました。発症前14日間における既知の危険因子への曝露歴については調査中です。
 3.マッカ(Makkah)市在住の66歳の外国籍男性は3月27日に発症し、4月3日に入院しました。患者は
  4月1日に別の症状で民間の医療センターを受診しています。現在、陰圧管理された隔離病棟に入院して
  おり安定した状態です。発症前14日間における既知の危険因子への曝露歴については調査中です。
 4.ジェダ(Jeddah)市在住の医療従事者の51歳の外国籍男性は3月28日に発症し、3月29日に入院しま
  した。基礎疾患があります。既報患者(4月9日更新142の症例3)と接触しています。発症前14日間に、
  患者は働いていた病院に入院しているMERS-CoV感染確定例の治療に携わっていませんでした。発症前
  14日間における他の既知の危険因子への曝露歴はありません。現在、この患者は陰圧管理された隔離病
  棟に入院しており、安定した状態です。

 また、サウジアラビアのIHR担当窓口は既報患者3人(4月9 日更新142の症例2、5、3月20日更新140の症例14)の死亡を報告しました。

 今回の症例について、患者家族や医療従事者における接触者の追跡調査が進行中です。
 
 全世界で少なくとも421人の関連死を含む1,106人のMERS-CoV感染確定例がWHOに報告されています。



 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia,
  16 April 2015
  http://www.who.int/csr/don/16-april-2015-mers-saudi-arabia/en/