(No.51)

髄膜炎菌性髄膜炎の流行-ニジェール
平成27年4月29日更新

 2015年1月1日から4月25日までの間にニジェール保健省は世界保健機関(WHO)に髄膜炎菌性髄膜炎の疑い例1543人、うち147人が死亡したことを報告しました。
 疑い例は同国の8州のうちの7州から報告されています。ドッソ州とニアメ首都特別区のいくつかの地域で髄膜炎菌性髄膜炎の流行が確認されています。
 ドッソ州では、主にドゴンドゥチ地区とガヤ地区から、これまでに27人の死亡者を含む282人の患者が報告されています。これらの地域では、警報レベルを越えています。
 ニアメでは現在までに944人の疑い例、うち88人が死亡したと報告されています。ニアメの5つの地区のうち3つの地区(総人口のうちの66万人を越える人口を抱えるニアメⅠ、Ⅱ、Ⅲ地区)で警報レベルを越えています。
 流行地域での検体検査では、主に髄膜炎菌C型が確認されています。さらに、いくつかの検体からは髄膜炎菌W群も確認されています。

公衆衛生における対策
 国家対策本部が流行への対策のために設置されました。保健省がこの流行を調査し、同国のサーベイランスを強化することを援助するために、アメリカ疾病対策センター(CDC )及びWHOから成る国際調査チームが派遣されました。
 WHOと支援団体はニジェール政府が集団予防接種キャンペーンやその他の緊急対策を実施することを支援しています。流行性髄膜炎コントロールのための予防接種対策の国際調整団体(ICG)は、国境なき医師団から1つ、WHOとユニセフから支援をうけた保健省から2つ、計3つのワクチン請求を認め、46万人分の髄膜炎菌群ACWに対するワクチンと18,500バイアルの抗菌薬を出荷しました。患者管理と地域社会での活動は現在も継続中です。


【出典】
 WHO, Global Alert and Response (GAR).
 Meningococcal disease - Niger, 29 April 2015
 http://www.who.int/csr/don/29-april-2015-niger/en/