(No.52)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(144)-サウジアラビア
2015年4月29日更新

 2015年4月14日から20日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口は、死亡者1人を含む中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例4人をWHO(世界保健機関)に追加で報告しました。症例は、報告日ごとに掲載され、直近の症例が最初に掲載されています。

 4人の患者の詳細は以下の通りです。
 1.リヤド在住の49歳の外国籍の男性は4月11日に発症し、18日に入院しました。患者には合併症があ
  ります。現在陰圧隔離室で安定した状態にあります。発症前14日以内の危険因子への曝露歴は調査中で
  す。
 2.フフーフ在住の61歳の男性は4月16日に発症し18日に入院しました。患者には合併症があります。
  また頻繁にラクダに接触しておりラクダ生乳の摂取歴もあります。発症前14日間にほかの危険因子への
  曝露歴はありません。患者は現在陰圧隔離室で安定した状態にあります。
 3.デバー在住の65歳の男性は4月9日に発症し15日にデバーにある病院を受診しましたが、同日にタブ
  ークの他の病院に転院となりました。患者には合併症はありません。患者はラクダや、ヒツジと頻回の
  接触歴があり、またラクダ生乳の摂取歴もあります。発症前14日以内に他の危険因子への曝露歴はあり
  ません。現在患者は陰圧隔離室で安定した状態にあります。
 4.マッカ在住の93歳の男性は4月6日に発症し、11日に入院となっていますが13日にマッカの他の病院
  に転院となっています。患者には合併症があり、頻回のラクダとの接触歴、ラクダ生乳の摂取歴が発症
  前14日以内にありますが同期間にほかの危険因子への曝露はありません。患者は4月19日に死亡しまし
  た。

 上記患者について、家庭内及び医療従事者で接触した人の追跡調査が実施されています。

 現在までWHOには1,110人のMERS―CoV感染診断確定例が報告されており、内422人が死亡しています。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia,
  29 April 2015
  http://www.who.int/csr/don/29-april-2015-mers-saudi-arabia/en/