(No.58)

イタリアにおけるエボラ出血熱
2015年5月13日更新

 2015年5月12日、WHO(世界保健機関)はイタリアにおけるエボラ出血熱(EVD)確定例を報告しました。イタリアでの初のEVD確定例となります。

 症例の詳細は以下の通りです。
 2014年10月以降、監視手順に従って西アフリカのエボラ流行地域から帰国する人の情報が事前に保健省に報告されています。
 症例はシエラレオネのエボラ治療センターでボランティア活動を行っていた医療従事者です。5月7日、フリータウンからモロッコのカサブランカを経由してローマへ向かい、ローマ到着時にはエボラ様症状認めませんでした。しかし、到着から72時間後の5月10日に症状が出現しました。自宅待機後、5月11日にサルデーニャ島のサッサリ病院の感染症病棟に搬送されました。翌12日、ローマのラザロ・スパランツァーニ国立感染症研究所(INMI)でEVD陽性が確認されました。
 症例はイタリア空軍の特別航空機で、サッサリ病院からローマのINMIに隔離輸送され、転院しています。
 症状出現が到着後72時間を経過していたため、飛行機の同乗者に対する接触者追跡調査の必要はないとしています。
 検査を実施したサッサリ病院の医療従事者は十分に個人防護具を装着しており、現在は、他の濃厚接触者と同様に監視下にあります。

 今後、イタリアでのエボラ出血熱の更新情報はDisease Outbreak Newsに掲載されることはなく、詳しい情報は定期で発行されているWHO’s Ebola Situation Reportsで確認してください。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Ebola virus disease – Italy, 13 May 2015
  http://www.who.int/csr/don/13-may-2015-ebola/en/