(No.63)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(148)-アラブ首長国連邦
2015年5月18日更新

 2015年5月13日、アラブ首長国連邦(UAE)の国際保健規則担当窓口(IHR)は世界保健機関(WHO)に対して、新たに1例の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染症例を報告しました。

 症例の詳細は以下の通りです。
 アブダビの外国籍の29歳の男性から5月12日にMERS-CoV陽性結果が出ました。
 患者はトラックの運転手として働いており、しばしばラクダをオマーンからUAEへ輸送していました。オマーンのイブリー市にも渡航歴があります。5月6日にオマーンを出て、9日にアブダビにラクダを輸送しました。全ての輸入ラクダがMERS-CoVの検査を受けることになっている国家政策の一環として、この運転手が輸送していたラクダについて5月9日にMERS-CoVの検査を行い、5月10日にMERS-CoVが陽性と判明しました。これがきっかけで、同日にトラックの運転手も検査を行いました。入院後、患者は5月12日に検査の結果MERS-CoV陽性とわかりました。検査時に患者には症状はありませんでした。発症前14日間の間に他の危険因子への曝露歴もありません。現在も患者は症状無く、陰圧室の病棟に入院中です。
 家族や医療従事者での接触者についての調査が行われています。UAEのIHRはオマーンのIHRに対し、オマーンでの調査の必要性を報告しました。

 現在までにWHOには1,118人のMERS-CoV感染診断確定例が報告されており、うち少なくとも423人が死亡しています。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – United Arab Emirates,
  18 May 2015
  http://www.who.int/csr/don/18-may-2015-mers-are/en/