(No.69)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(153)-サウジアラビア
2015年5月25日更新

 5月18日から23日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO(世界保健機関)に対して、死亡者1人を含む4人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を新たに報告しました。

 症例の詳細は以下の通りです。
 1.77際のハフーフ市在住の女性が5月17日に発症、同日入院となりました。鼻咽頭拭い液から同月
  22日にMERS-CoV陽性が確認されました。患者さんには合併症があります。下記の2番目のケースと同
  じ病院に入院していました。過去2週間における他の危険因子への曝露歴は調査中です。現在患者は重
  篤な状態で集中治療室(ICU)に収容されています。
 2.48歳のハフーフ市在住の男性が5月1日に発症、同月10日に入院となりました。患者には合併症があ
  り、当初循環器疾患の診断を受けていました。そのため14日に同市の心臓病センターに転院となりまし
  た。20日に鼻咽頭拭い液でMERS-CoV陽性となり、同日同市のMERS-CoV基幹病院に転院と成ってい
  ます。患者は既報149の12例目の患者さんと同じ病棟に入院し、同じ医療従事者から治療を受けていま
  した。発症前2週間に他の危険因子への曝露歴はありません。現在患者は重篤な状態で集中治療室
  (ICU)に収容されています。
 3.73歳のアフラージュ在住の女性は5月2日から他の疾患で入院中でしたが14日に発症しました。患者
  さんには合併症があります。鼻咽頭拭い液でMERS-CoVが17日に陽性となりました。発症前2週間にお
  ける既知の危険因子への曝露歴は調査中です。患者さんは5月18日に死亡しました。
 4.59歳のリヤド在住、他国籍の女性が5月15日に発症し、翌日リヤドの病院に入院となっています。鼻
  咽頭拭い液の検査で17日にMERS-CoV陽性となっています。患者さんには合併症があります。発症前
  2週間の間に既知の危険因子への曝露があったかについての調査が実施されています。現在自宅にて隔
  離、安定した状態です。
 上記4患者については家庭での接触者、医療従事者での接触者の追跡調査が実施中です。サウジアラビアの国際保健規則担当窓口はWHOに対して5月24日の既報中の2例(第5,9例)及び5月8日の既報中の1例(第1例)合わせて3例が死亡したことを報告しました。

 現在までWHOには中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症の診断確定例1,139例の報告があり、うち431例が本疾患と関連した死亡です。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia,
  25 May 2015
  http://www.who.int/csr/don/25-may-2015-mers-saudi-arabia/en/