(No.82)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(163)-韓国
2015年6月5日更新

 2015年6月4日、大韓民国の国際保健規則(IHR)担当窓口は世界保健機関(WHO)に対して、死亡者1人を含む新たに6人の中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症(MERS-CoV)患者を報告しました。

 症例の詳細は以下の通りです。
 1.69歳の男性が5月28日から別の疾患で病院に入院しており、6月1日に発症しました。
  患者は以前報告したMERS-CoV確定患者(6月4日の報告例1の患者)と同じ病室にいました。
  患者は6月3日に行った検査でMERS-CoV陽性となっています。
 2.54歳の男性が5月29日に発症しました。治療を受けた後は追加症状はありません。5月15日と22日、
  29日にMERS-CoV確定患者である母親(5月30日の報告例10の患者)の見舞いに行きました。
  6月3日の検査でMERS-CoV陽性となっています。
 3.47歳の男性が5月21日に発症しました。患者は当初、6月1日に入院した医療機関と異なる所で
  治療を受けようとしていました。患者はMERS-CoV確定患者(上記症例2)の友人でした。
  5月15日に彼の友人の母親を訪ねています。合併症はなく、6月3日の検査でMERS-CoV陽性となって
  います。
 4.25歳の医療従事者の女性が5月20日に発症しました。患者は5月15日から17日に1例目の患者の
  治療を行っていました。6月3日の検査でMERS-CoV陽性となっています。現在、安定した状態です。
 5.38歳の男性が5月31日に発症しました。5月27日に MERS-CoV確定患者(6月1日の報告例1の
  患者)と接触歴があります。6月2日の検査でMERS-CoV陽性となっています。
 6.82歳の男性が6月4日に検査の結果MERS-CoV陽性でした。患者は慢性的に湿性咳嗽があり、
  5月6日に微熱と呼吸困難がありました。5月9日に症状悪化し、病院受診しました。5月28日~30日に
  患者はMERS-CoV確定患者(6月4日の報告例1の患者)と同じ病棟に入院していました。5月30日
  MERS-CoV患者の濃厚接触を避けるため、集中治療室の隔離部屋に移されました。そして6月3日に
  死亡しました。

 現在、家族及び医療従事者の接触者追跡調査が実施されています。

 現在までに、大韓民国のIHR担当窓口は3人の死亡者を含む36人の診断確定患者を報告しました。
うち1人は中国で発見され、中国のIHR担当窓口によって報告されています。

 2012年9月から現在まで、WHO には1,185人の診断確定患者が報告されており、そのうち少なくとも443人が死亡しています。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Republic of Korea,
  5 June 2015
  http://www.who.int/csr/don/05-june-2015-mers-korea/en/