(No.84)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(165)-サウジアラビア
2015年6月6日更新

 2015年6月1日から4日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則担当窓口(IHR)は、WHO(世界保健機関)に対して新たに5人(うち死亡1人)の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を報告しました。

 症例の詳細は以下の通りです。
 1.フフーフ(Hofuf)市在住の64歳男性は5月20日に発症し6月1日に入院しました。基礎疾患があり
  6月3日検査でMERS-CoV陽性でした。現在状態は安定しており陰圧室で隔離されています。
  発症14日間の既知の危険因子への曝露歴は調査中です。
 2.フフーフ市在住の外国籍の50歳男性は5月22日に発症しました。基礎疾患はなく6月1日検査で
  MERS-CoV陽性でした。5月14日から19日の間、5月25日既報の感染確定患者2例目の看護をして
  いました。発症14日間の既知の危険因子への曝露歴はありません。現在患者は無症状で自宅隔離中
  です。
 3.フフーフ市在住の45歳男性は5月26日に発症し5月29日に入院しました。基礎疾患があり5月31日
  検査でMERS-CoV陽性でした。現在危篤状態でICUに入院中です。発症14日間の既知の危険因子への
  曝露歴は調査中です。
 4.フフーフ市在住の50歳の医療従事者は5月19日に発症し5月25日に入院しました。基礎疾患はなく
  5月29日検査でMERS-CoV陽性でした。発症14日間にヒツジや家禽との接触歴がありますが既知の
  危険因子への曝露歴はありません。現在患者は安定しており陰圧室で隔離されています。
 5.フフーフ市の54歳男性は5月27日に発症しました。患者は5月16日に別の疾患で入院しており
  5月19日に別の病院に紹介され転院しました。基礎疾患があり5月30日検査でMERS-CoV陽性で
  6月2日に死亡しました。発症14日間の既知の危険因子への曝露歴は調査中です。
 上記患者について、家族内及び医療従事者で接触した人の追跡調査が実施されています。

 サウジアラビアのIHR担当窓口は既報患者3人が死亡したことを報告しました。(6月4日更新161の
1例目・7例目と5月17日更新147の5例目)

 WHOには、2012年9月から全世界で1,195人のMERS-Cov感染確定例が報告されており、少なくとも448人が死亡しています。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia,
  6 June 2015
  http://www.who.int/csr/don/06-june-2015-mers-saudi-arabia/en/