(No.89)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(169)-サウジアラビア
2015年6月11日更新

 2015年6月5日から8日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO(世界保健機関)に対して、新たに8人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を報告しました。

 症例の詳細は以下の通りです。
 1.ホフーフ(Hofouf)市在住の72歳の男性は、5月20日に発症しました。患者は合併症があり、
  23日に入院しました。6月4日にMERS-CoV陽性が検出されました。現在、ICUに入院中で
  危篤状態です。発症前14日以内の他の既知の危険因子への曝露歴は調査中です。
 2.ホフーフ(Hofouf)市在住の56歳の男性は、6月1日に発症し、4日にMERS-CoVのアウトブレイクが
  発生していたホフーフ市内の病院に入院しました。患者は合併症があり、6月5日にMERS-CoV陽性が
  検出されました。現在、陰圧室病棟に入院中で安定した状態です。発症前14日以内の他の既知の
  危険因子への曝露歴は調査中です。
 3.ホフーフ(Hofouf)市在住の65歳の男性は、5月27日に発症し、6月2日にMERS-CoVのアウト
  ブレイクが発生していたホフーフ市内の病院に入院しました。患者は合併症があり、6月4日に
  MERS-CoV陽性が検出されました。現在、ICUに入院中で危篤状態です。発症前14日以内の他の既知の
  危険因子への曝露歴は調査中です。
 4.リヤド(Riyadh)市在住の外国籍の58歳の男性は、5月30日に発症して6月4日に入院しました。
  患者は合併症があり、6月5日にMERS-CoV陽性が検出されました。現在、ICUに入院中で危篤状態
  です。発症前14日以内の他の既知の危険因子への曝露歴は調査中です。
 5.アスファン(Asfan)町在住の外国籍の55歳の男性は、5月31日に発症し、6月3日にMERS-CoVの
  アウトブレイクが発生していたホフーフ市内の病院に入院しました。患者は合併症があり、6月4日に
  MERS-CoV陽性が検出されました。ラクダやヒツジとの頻繁な接触歴に加えて、ラクダの生乳の
  摂取歴があります。発症前14日以内の他の既知の危険因子への曝露歴はありません。現在、ICUに
  入院中で危篤状態です。
 6.ホフーフ(Hofouf)市在住の医療従事者の29歳の男性は、6月2日に発症し、3日にMERS-CoVの
  アウトブレイクが発生していたホフーフ市内の病院に入院しました。合併症はありません。6月4日に
  MERS-CoV陽性が検出されました。患者は5月10日から23日までの間に、既報患者(6月3日更新158の
  1例目)の治療を担当していました。発症前14日以内の他の既知の危険因子への曝露歴はありません。
  現在、陰圧室病棟に入院中で安定した状態です。
 7.ホフーフ(Hofouf)市在住の41歳の男性は、6月1日に発症して同日に入院しました。患者は、
  MERS-CoVのアウトブレイクが発生していたホフーフ市内の病院で警備員として働いていました。
  患者は合併症があり、6月4日にMERS-CoV陽性が検出されました。既報患者(6月5日更新161の
  7例目)との接触歴があります。発症前14日以内の他の既知の危険因子への曝露歴はありません。
  現在、陰圧室病棟に入院中で安定した状態です。
 8.ホフーフ(Hofouf)市在住の58歳の女性は、6月1日に発症し、同日にMERS-CoVのアウトブレイクが
  発生していたホフーフ市内の病院に入院しました。患者は合併症があり、6月5日にMERS-CoV陽性が
  検出されました。現在、陰圧室病棟に入院中で安定した状態です。発症前14日以内の他の既知の危険
  因子への曝露歴は調査中です。
 上記の患者について、家庭内及び医療従事者で接触した人の追跡調査が実施されています。

 2012年9月以降、WHOには全世界で1,227人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、うち449人が死亡しています。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia,
  11 June 2015
  http://www.who.int/csr/don/11-june-2015-mers-saudi-arabia/en/