(No.91)

チリにおける麻しん患者報告
2015年6月12日更新

 2015年6月10日、チリの国際保健規則担当窓口(IHR)はWHO(世界保健機関)に対して、5人の麻しん患者を報告しました。 

 患者の詳細は以下の通りです。
 1 サンティアゴ在住の31歳の男性は、5月12日に発症し、15日に麻しんウイルス陽性が検出され
  ました。患者は4月4日から28日まで中国へ旅行しました。疫学的調査によりますと、潜伏期間は
  中国-ハワイ-サンティアゴの旅行の日程と一致しています。患者は、サンティアゴへの最初の帰路
  (北京-ホノルル間)において、症状がある乗客と接触したことを報告しました。
 2 サンティアゴのマリア・ピント在住の10ヶ月未満の乳児は、5月25日に発症し、29日に麻しん
  ウイルス陽性が検出されました。国の予防接種スケジュールに従っていたため、まだ接種義務の
  年齢ではなく、この乳児はMMRワクチンを接種していませんでした。12日現在、最初の患者との
  直接的な疫学的関連は確認されていませんが、乳児のウイルスの遺伝子型はH1が確認されており、
  最初の患者と同じ感染伝播の鎖の一部であることが示唆されています。
 3 サンティアゴ在住の38歳の男性は、患者1の潜伏期間内である6月1日に発症しました。患者2と
  同じく、H1型麻しんウイルスが確認されました。
 4 サンティアゴのラス・コンデス在住の44歳の医療従事者の男性は、6月3日に発症し、6日に麻しん
  ウイルス陽性が検出されました。この男性は入院しましたが、現在は回復して帰宅しています。
 5 患者2の親戚である21歳の男性は、6月4日に発症し、10日に麻しんウイルス陽性が検出されました。

公衆衛生対策
 迅速な患者の調査を確実にするために、国民への警告とサーベイランスを強化しています。特定されて
いる接触者は全員がすぐに(検査結果を待たずに)ワクチンを接種し、子供の予防接種が強化されています。 感染伝播の鎖を断ち切ることを目的としています。

 チリ主催で6月11日から7月4日まで開催される「コパアメリカ チリ2015(サッカー南米選手権)」に
関連して、チリ保健当局とパンアメリカン保健機関は、旅行者に出発2週間前のワクチン接種を勧めて
います。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Measles – Chile, 12 June 2015
  http://www.who.int/csr/don/12-june-2015-measles/en/