(No.97)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(174)- 韓国
2015年6月19日更新

  2015年6月17日から19日の間に、韓国の国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO(世界保健機関)に対して
死亡者5人を含む12人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を報告しました。

韓国での流行状況
 現在までに韓国では24人の死亡者を含む166人の感染確定例が報告されています。166人のうちの1人は
中国で診断され中国のIHR担当窓口にも報告されています。
患者の年齢は16歳から87歳で中央値は68.5歳です。患者の多くが男性(60%)で、医療従事者は
21人(7.9%)です。現在全ての患者は1つの感染伝播で繋がっており、医療施設が関連しています。
韓国でのMERS-CoV事例に関する詳細な情報は、リンクを参照して下さい。

公衆衛生の対応
 韓国政府は症例と接触者の管理活動を強化しております。6月19日時点で、5,930人の接触者が
確認されており、5,535人の接触者が監視終了となっております。毎日発生している新たな患者数は
減少していると思われます。これは実施されている封じ込め措置が新たな感染者数の割合を減少させるために貢献していることを示唆しています。

 6月16日WHOの事務局長は国際保健規則の下、9回目のMERS-CoVについての緊急委員会の会議を招集
しました。WHOの事務局は韓国と中国でMERS-CoVについての疫学上の最新情報を共有する委員会を
設けました。委員会は全ての国が流行するという予測し得ない可能性のために準備をする必要性を表しましたが、MERS-CoVは、現在、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」に分類される条件を満たしていないと結論付けました。

 2012年9月以降、WHOには全世界で1,333人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、うち471人が
関連死しています。


 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Republic of Korea,
  19 June 2015
  http://www.who.int/csr/don/19-june-2015-mers-korea/en/

 ※ 韓国における最新の患者数などは、下記のサイトもご参考ください。
  WHO(英語):
   http://www.wpro.who.int/outbreaks_emergencies/wpro_coronavirus/en/
  韓国保健福祉部(ハングル):
  http://www.mers.go.kr/mers/html/jsp/Menu_B/content_B1.jsp?cid=26740