(No.98)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(175)- タイ
2015年6月20日更新

 2015年6月18日タイの国際保健規則(IHR)担当窓口は世界保健機関(WHO)に対して同国で初めての
中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症(MERS-CoV)を報告しました。

 詳細は以下の通りです。
 患者はオマーン人の75歳男性で医療を受けるためにオマーンからタイに来た人です。患者には基礎疾患があり6月10日にオマーンの病院に入院していました。症状が改善しないために、治療法を求めて3人の家族とともに航空機で6月15日にバンコクに到着しています。患者本人も家族もタイ到着時には発熱はありませんでした。同日の検査でMERS-CoV陽性と判明し、家族ともに18日に隔離設備のある他の医療機関に転送されました。現在患者の状態は安定しています。

公衆衛生の対応
 タイの公衆衛生当局は公衆衛生対策強化を実施しています。
 ・ 患者が最初に入院していた病院における感染予防、コントロール対策の見直しと強化。
 ・ 家庭及び医療機関での患者との接触者追跡調査の実施。
 ・ 緊急対応施設に加え、非常事態対応センター活動の実施。
 今回の事態に対してオマーンとタイとの間で情報の共有化を行うことになっています。

 2012年9月から現在までにWHOにはMERS-CoVの診断確定例が1,334人報告されており、うち少なく
とも471人は関連死しています。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Thailand,
  20 June 2015
  http://www.who.int/csr/don/20-june-2015-mers-thailand/en/