(No.110)

リベリアにおけるエボラ出血熱の再発生
平成27年7月3日更新

2015年5月9日、リベリアでは、エボラウイルスに感染した最後の確定患者が埋葬されてから42日が経過したことを受けて、エボラ出血熱(EVD)流行の終息が宣言されました。

 ウイルスの感染伝播は停止していましたが、近隣のギニアとシエラレオネは感染伝播が続いており、
EVD流行の危険性は高い状態が続いていました。このような理由から、リベリアはEVDの徴候がある人や
死亡者に検査を実施する90日の警戒期間に入っていました。

 2015年6月29日、90日の警戒期間の途中で、6月28日にマラリア治療中に死亡した17歳の男性の死後の
スワブ検査において、EVD陽性が検出されました。リベリアの高警戒期間における標準的な対応によると、
安全かつ尊厳のある埋葬を実施するチームが、その男性が死亡した同日に遺体を安全に埋葬しました。

 リベリアは毎週、EVDに起因している可能性がある有症者のスワブ検査や血液検査を数百単位で実施しています。最初に陽性が検出された時点で、リベリアの『危機管理システム』は、すぐに地域内の詳細な調査を
実施するためのチームを活性化させ、患者が発症していた時期に接触した人々の追跡を開始しました。

 調査により、患者がエボラを発症していた時期に200人と接触していたことが明らかとなり、これらの人々は密に健康監視されています。このうち2人が発症して、検査でエボラウイルス陽性が検出されています。
この2人は、90日の高警戒期間中も維持されていたエボラ治療センターで治療を受けています。

 患者が死亡したマージビ郡のネドウェインでは、EVD患者と接触した全ての接触者を確保するのが非常に
困難となっています。世帯が隔離されている場合は、食糧や寝具、テントなどが、ユニセフや世界食糧計画を含めた国連機関によって提供されています。

 国連システムと非政府組織は、防護具、アルコール系ハンドスプレー、温度モニター、すでにリベリアに
滞在している職員などの必要な資源について、政府を支援しています。WHO(世界保健機関)は、疫学の専門家とコミュニティを確保するための社会的動員を追加で派遣しており、接触者を特定してこれ以上の病気の
蔓延を防止するために十分に関与しています。

 リベリア政府は、何が発生しているかについて国民に通知し、自分自身やコミュニティの安全を維持するために必要な手順について再周知しています。

 【出典】
 WHO, Ebola
 Ebola situation assessment - 3 July 2015
 http://www.who.int/mediacentre/news/ebola/03-july-2015-liberia/en/