(No.114)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(187)- タイ
2015年7月10日更新

 2015年6月18日、タイの国際保健規則(IHR)担当窓口は世界保健機関(WHO) に対して、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例の報告をしました(既報175)。オマーンからタイに渡航した
75歳の男性患者は、現在は回復して退院しており、その後の検査でも感染が持続している結果は確認されていません。
 この患者の接触者全員が14日間の健康監視期間を終了しており、MERS-CoV感染例は認められませんでした。

公衆衛生の対策
 WHOの支援を受け、タイの保健衛生当局は次の公衆衛生の対策を実施しています。
① 入国時や医療機関、地域の保健ボランティアネットワークを通したコミュニティレベルでのサーベイランス強化
② 定期的なリスク評価、高度なメディアの監視や流言の監視、専用のホットラインの設置
③ 迅速な対策チームの設置
④ 指定された研究所での診断検査の改善
⑤ 感染予防と管理、治療、医療施設への準備に対する取り決めの検討・強化
⑥ 地域社会や旅行者、医療従事者への適切な情報提供によるリスクコミュニケーション
 
公衆衛生担当部門は、今後も起こりうる輸入例に対する警戒の強化を続けています。

世界での発生状況
 2012年9月以降、WHOには全世界で1,368人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、うち489人が
関連死しています。


 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Thailand,
   10 July 2015
  http://www.who.int/csr/don/10-july-2015-mers-thailand/en/