(No.128)

スペインにおけるチクングニア熱
平成27年8月10日更新

 2015年8月3日、スペインの国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO (世界保健機関)に対して、バレンシア州ガンディアにおけるチクングニアウイルス感染例を報告しました。スペインにおいて、チクングニア熱の
流行地域への渡航歴がない個人で同疾患の陽性が検出された初めての患者となります。

患者の詳細
 患者は60歳の男性で、7月7日にフランスで発症して8日に同国で受診しました。スペインに帰国後、
11日に入院して16日に退院しました。23日に血液検体が採取され、31日にELISA法により血清中のIgMが
同定され、チクングニア熱陽性が確認されました。患者の推定の潜伏期間と発症していた期間は、
他者に感染伝播することができる期間になります。患者は、スペインのバレンシア州とフランスの
ラングドック・ルシヨン地方に滞在しており、この地域ではチクングニアウイルスを媒介可能な
ヒトスジシマカが生息しています。

公衆衛生の対策
 スペイン保健省は、疫学的調査や昆虫学的調査と並行して、媒介蚊の制御対策を実施しています。フランス保健省は、患者が訪れた地域で媒介蚊の制御対策を実施している地元の保健当局に情報を提供しています。

【出典】
 WHO, Global Alert and Response (GAR).
 Chikungunya - Spain, 10 August 2015
 http://www.who.int/csr/don/10-august-2015-chikungunya/en/