(No.142)

マダガスカルにおけるペスト
平成27年9月6日更新

 マダガスカルの保健省は世界保健機関(WHO)に対してペストのアウトブレイクを報告しました。初発例は
8月17日にムラマンガ県の農村地区で発生しました。患者は2日後に死亡しています。8月30日までに14人の患者が発生し、うち10人が死亡しています。すべての確定例は肺炎様症状があります。8月27日以後は
同地域あるいは周辺の地域での新たな患者の発生報告はありません。

公衆衛生対策
国家対策本部は今回のアウトブレイク管理のための活動を継続しています。WHOや同国のパスツール研究所
を含むパートナーの協力でマダガスカル政府は患者やその接触者の発見、予防のための化学療法剤の備蓄、
患者と接触者の治療、疫学調査の強化、感染予防とコントロール(特に家族内感染防止)、媒介動物の
コントロール、社会的動員、協力者の動員などを通じて公衆衛生対策を実行しています。

WHOによる危険度評価
WHOは現在入手している情報に基づいていかなる渡航や交易の制限も推奨はしていません。アンタナナリボのような都市部では媒介動物コントロール対策を実行するために、疫学的なリスク指標となるような項目に
ついての調査が強く推奨されています。
今回のアウトブレイク以前、同国では2014年から2015年にかけ、特に2014年11月にピークをもつ
アウトブレイクがあり335人以上が罹患し、79人が死亡しています。


【出典】
 WHO Disease outbreak news
 Plague-Madagascar 6 September 2015
 http://www.who.int/csr/don/06-september-2015-plague/en/