(No.148)

セネガルにおけるチクングニア熱
平成27年9月14日更新

 2015年9月9日、セネガルの社会保健省(MOHSA)は世界保健機関(WHO)にケドゥグ州でチクングニア熱が繰り返し流行していると報告しました。流行は2015年8月27日に始まりました。ダカールのパスツール
研究所で疑い症例14検体が集められ、10検体がチクングニア陽性でした。2015年9月8日の時点で10症例がチクングニア熱と報告されました。影響を受けた地域での直近の流行は2009年から2010年でした。

公衆衛生の対策
2015年9月7日MOHSAは定例週会議で状況について議論しました。会議により様々なチームや関係部門に
技術的指導がなされました。対策の全体的な調整は、WHOと関係者とともにMOHSAの予防省が主導
します。
この保健事象は報道を通じてMOHSAにより公式発表されました。症例の管理や全国の保健所への疾患に
ついての説明文の配布及び疫学的サーベイランスの強化を行っています。影響を受けた地域と他のすべての
地域で社会的動員が進行しています。学術専門家チームが配置されはじめています。チームは血清学調査を
実施し、サーベイランスや媒介制御活動のための技術支援を提供します。

WHO推奨
WHOは誤解やデマを回避するために、防蚊対策、蚊の主要な繁殖地をターゲットとする媒介制御活動、
地域に基づいた監視と社会的動員に対する保護対策を推奨しています。
WHOは、チクングニアウイルスの現在の流行情報に基づいて、セネガルの貿易や渡航の制限について
推奨していません。

背景
チクングニア熱は、感染した蚊によってヒトに伝播するウイルス性疾患です。発熱や重度の関節痛の原因と
なり、その他の症状として、筋肉痛、頭痛、吐きけ、倦怠感や発疹があります。関節痛により衰弱したり
関節痛が長期化することがあります。この疾患はデング熱と臨床徴候を共有するので、デング熱が一般的で
ある地域で誤診されることがあります。 特異的な治療法はなく、対症療法です。 蚊の繁殖地の近くにヒトの居住区があることは、チクングニア感染の重要な危険因子となります。 アフリカ、アジア、
ラテンアメリカ、インドの亜大陸で発生します。セネガルは2009年に影響を受けました。


【出典】
 WHO Disease outbreak news
 Chikungunya – Senegal
 http://www.who.int/csr/don/14-september-2015-chikungunya/en/