(No.153)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(205)-ヨルダン
2015年9月18日更新

 
 2015年8月7日から10日までの間に、ヨルダンの国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO(世界保健機関)に
対して、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を新たに5人報告しました。このうち2人は死亡しています。
詳細は以下の通りです。

1.アンマン在住の78歳の男性は、8月26日に発症して9月1日に入院しました。この病院は患者が慢性疾患で頻回に受診していた病院で、MERS-CoV感染が発生していました。患者は9月4日に死亡し、5日にMERS-CoVの診断が確定しました。同病院のMERS-CoV患者や、共通で受け持った医療従事者との疫学的な繋がりについて調査中です。発症前2週間以内に他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

2. アンマン在住の53歳の男性は、8月27日に発症して9月5日に入院しました。患者には合併症があり、
かつ重度の喫煙家です。9月8日に検査でMERS-CoVの診断が確定しました。この患者は9月7日に
死亡しています。発症前2週間以内の既知の危険因子への曝露歴は調査中です。

3.アンマン在住の7歳の女児は、無症状でしたが9月10日に検査でMERS-CoV感染の診断が確定して
います。現時点で無症状ですが、病院の陰圧室で観察中です。患者には合併症はなく、上記の2例目の
接触者です。発症前2週間以内に他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

4. アンマン在住の9ヶ月の女児は、9月9日に発症して10日に入院しました。入院時に実施された検査でMERS-CoVの診断が確定しています。現在は病棟の陰圧室に隔離されており、状態は安定しています。
患者には合併症はありません。上記の2例目の接触者です。発症前2週間以内に他の既知の危険因子への
曝露歴はありません。

5.アンマン在住の65歳の女性は、9月3日に発症して9日に入院しました。患者には合併症はありません。
10日の検査でMERS-CoVの診断が確定しています。現在は病棟の陰圧室に隔離されており、状態は安定
しています。患者はMERS-CoV感染の発生している病院を訪れ、既報患者(更新199の3例目)と接触して
います。発症前2週間以内に他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

 報告された患者について、家庭内及び医療従事者で接触した人の追跡調査が実施されています。

 ヨルダンの国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO(世界保健機関)に対して、既報患者(更新199の3例目)が
死亡したことを追加で報告しています。

WHOには全世界で1,569人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、うち554人が関連死しています。


【出典】
WHO, Global Alert and Response (GAR).
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Jordan, 18September 2015
http://www.who.int/csr/don/18-september-2015-mers-jordan/en/