(No.158)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例(208)-サウジアラビア
平成27年9月30日更新

 2015年9月20日から26日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO (世界保健
機関)に対して、新たに6人(うち死亡者1人)の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を
報告しました。

詳細は以下の通りです。

1.リヤド在住の他国籍44歳の男性医療従事者は9月23日に発症し翌日勤務先の病院に入院となっています。患者には合併症があり、9月25日の検査でMERS-CoV陽性と診断されました。現在状態は落ち着いており自宅に隔離されています。患者はMERS-CoV感染と診断された患者(既報204のNo.8の患者)のケアをして
いました。他の既知の危険因子への発症前2週間以内の曝露歴はありません。

2.リヤド在住の他国籍27歳の女性医療従事者は接触者として健康監視されていましたが無症候ながら9月
24日の検査でMERS-CoV陽性と診断されました。現在も無症候で病棟の陰圧室に隔離されています。勤務
していた病院でのMERS-CoV患者との疫学的な繋がりについては調査中です。過去2週間の他の既知の危険
因子への曝露歴はありません。

3.リヤド在住の59歳女性は9月20日に発症し翌日入院となりました。患者には合併症があります。9月23日の検査でMERS-CoV陽性と診断されました。現在状態は落ち着いており、自宅で隔離されています。患者はMERS-CoV感染診断確定患者(既報207のNo.13の患者)との接触歴があります。他の既知の危険因子への
発症前2週間以内の曝露歴はありません。

4.アルオヨ-ン市在住の46歳男性は9月16日に発症し18日に入院しました。患者には合併症があります。
入院当日の検査でMERS-CoV陽性と診断されました。現在病棟の陰圧室に収容されており、
状態は落ち着いています。患者には頻回のラクダとの接触、ラクダの生乳摂取歴があります。
他の既知の危険因子への発症前2週間以内の曝露歴はありません。

5.ナジュラン市在住の90歳男性は9月13日に発症し17日に入院しました。患者には合併症があり、9月19日の検査でMERS-CoV陽性と診断されました。患者は9月25日に死亡しています。発症前2週間以内の他の既知の危険因子への曝露歴は調査中です。

6.リヤド在住の48歳男性は9月18日に発症し翌日入院となりました。患者には合併症があります。9月20日の検査でMERS-CoV陽性と診断されました。患者にはMERS-CoV感染診断確定患者(既報207の
No13の患者)との接触歴があります。現在患者は自宅に隔離されており、状態は安定しています。
発症前2週間以内に他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

報告された患者について、家庭内及び医療従事者で接触した人の追跡調査が実施されています。
2012年9月から現在までにWHOには1589人のMERS-CoV診断確定患者が報告されており、うち567人が
関連死しています。

【出典】
 WHO, Global Alert and Response (GAR).
 Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia,
 30 September 2015
 http://www.who.int/csr/don/30-september-2015-mers-saudi-arabia/en/