(No.160)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例(209)-サウジアラビア
平成27年10月1日更新

 2015年9月21日から23日までの間に、ヨルダンの国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO(世界保健機関)に
対して、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を新たに4人報告しました。
このうち1人は死亡しています。

詳細は以下の通りです。

1.アンマン在住の医療従事者である29歳男性は9月15日に発症しました。勤務先の病院の救急室を受診し、
対症療法をうけ帰宅しました。患者は基礎疾患があり9月20日検査でMERS-CoV陽性となり入院しました。
現在患者の状態は安定しており病院の陰圧室で治療中です。患者はMERS-CoV患者(既報205のNo.2)の
治療にあたっていました。発症前2週間以内に他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

2.アンマン在住の60歳男性は9月10日に発症し15日に入院しました。患者は基礎疾患があり9月20日に
検査でMERS-CoV陽性でした。現在患者の状態は安定しており病院の陰圧室で治療中です。彼にはMERS-CoV患者を治療している病院への訪問歴がありました。同病院のMERS-CoV患者や、医療従事者との
疫学的な繋がりについて調査中です。発症前2週間以内に他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

3.アンマン在住の69歳女性は9月7日に心疾患で入院しました。患者は基礎疾患があり9月16日に退院
しました。9月17日に発症し同日別の病院に入院しました。9月22日検査でMERS-CoV陽性と診断され
同日死亡しました。初めに入院した病院のMERS-CoV患者や、共通で受け持った医療従事者との疫学的な
繋がりについて調査中です。発症前2週間以内に他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

4.アンマン在住の医療従事者である39歳女性は、接触者の追跡調査中に無症状でしたが9月23日に検査で
MERS-CoV陽性と診断されました。現在彼女は無症状で自宅隔離中です。患者は基礎疾患はなく、MERS-Cov患者(既報205のNo.2)の治療にあたっていました。発症前2週間以内に他の既知の危険因子への
曝露歴はありません。報告された患者について、家庭内及び医療従事者で接触した人の追跡調査が実施
されています。

WHOには全世界で1,593人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、うち568人が関連死しています。


【出典】
 WHO, Global Alert and Response (GAR).
 Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Jordan,
 1 October 2015
 http://www.who.int/csr/don/01-october-2015-mers-jordan/en/