(No.168)

タンザニア連合共和国におけるコレラ
2015年10月21日

 タンザニアの保健社会福祉省(MOHSW)は世界保健機関(WHO)に対して同国における新たなコレラ
の発生地を報告しました。2015年10月13日現在、13の地域で感染が発生しています。ダルエスサラーム、
モロゴロ、プワニ、キゴマキリマンジャロ、イリンガ、ドドマ、ゲイタ、マラ、シンギダ、シニャンガ、
ムワンザ、ザンジバルの13州です10月19日現在4,835人の累積患者数となっており、68人が死亡
しています。ダルエスサラームでの数が全体の72%、3,460人、ザンジバルが140人となっています。

公衆衛生対策

 国家安全委員会は保健社会福祉省の指導のもと今回のアウトブレイクコントロールにむけた活動を
展開しています。健康教育活動とともに水の浄化対策が実施されています。MOHSW、WHO、アメリカ
疾病管理予防センター(CDC)、実地疫学プログラムはフィールドからの警戒に適切に呼応できるように、
サーベイランス強化を行うことを目的として力を合わせています。
 WHOと支援組織はMOHSWに対してダルエスサラームとモロゴロのおける5箇所の治療センターの設立を
サポートして来ました。危険因子の評価や対策に関してのサポートとしてはサーベイランスのまとめ、
患者の治療、社会的動員、水、下水、衛生(WASH)についての国家あるいはその下位のレベルでの介入
など多部門の対策をコーディネートする専門家2名を配しています。
 WHOのアフリカ地域事務局(AFRO)はWASHの専門家を派遣して状況の分析、技術的指導、
WASHに関するリーダーシップを執っています。WASHを含んだ多面的アプローチによる有効な対策を
進めていくのに貢献をしています。この試みの中で専門家はUNICEF や環境衛生事務局本部や支部など
パートナーとなる組織とともに緊密に活動しています。
 地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOARN)における支援組織部門と共にWHOは
国家対策部門サポートのために国際的な技術専門スタッフを配置について協同しています。
WHO-AFROは公衆衛生管理、疫学、患者治療、物流、WASH,社会的動員、データ管理などの専門家の
さらなる選定をせまられています。

WHOよる勧告
 WHOは現時点での有用な情報に基づいてタンザニア連合共和国へのいかなる渡航や交易の制限も
推奨はしていません。




【出典】
 WHO, Global Alert and Response (GAR).
 Cholera – United Republic of Tanzania  21 October 2015
 http://www.who.int/csr/don/21-october-2015-cholera/en/