(No.180)

   中国における鳥インフルエンザA(H7N9)について
 11月13日更新分

 11月11日、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は、新たに2例の鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)の診断確定例を世界保健機関(WHO)に報告しました。

患者の詳細は以下の通りです。

 1人目は浙江省嵊州市在住の62歳女性で、10月1日に発症しています。患者は家禽市場を訪問し、
自宅でも家禽を飼育しています。2人目は浙江省杭州市在住の51歳女性で、10月3日に発症しています。
自宅で家禽を飼育しています。

公衆衛生上の対応

中国政府は、以下のようなサーベイランスと対策を実施しています。
 ・サーベイランス及び発生状況分析の強化
 ・患者管理と治療の再強化
 ・市民とのリスクコミュニケーションと情報の提供

 WHOは、厳重に鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況の監視とリスク評価を継続しています。
これまでのところ、鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに対する公衆衛生的なリスクは変わって
いません。
 前年度の傾向から、ウイルスのヒト感染例は今後数ヶ月にわたって増加する可能性があります。また、
散発的なヒト感染例は流行地域および近隣地域で散発的に発生することが予想されます。流行地域から
感染者が海外に渡航する場合、移動中もしくは到着後に感染が発見されるかもしれません。このような
事例が発生しても、ウイルスは容易にヒトからヒトへの感染能力を持っていないので、地域での感染の
拡がりは起こりにくいと考えられます。




【出典】
 WHO, Global Alert and Response (GAR).
 Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
 13 November 2015
 http://www.who.int/csr/don/13-november-2015-avian-influenza-china/en/