(No.183)

  韓国における急性呼吸器症候群
2015年11月16日

  2015年10月29日、韓国の国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO(世界保健機関)に対して、
韓国・ソウルにおける呼吸器症状を呈する患者集団を報告しました。

流行の追加情報
10月19日から29日までの間に、同じ施設で働く3人が肺炎症状を発症し、22日から24日までの間に
入院しました。27日に3人は隔離病棟に移動し、病院は韓国疾病対策センター(KCDC)へ報告した後、
保健当局に警告しました。
 現在までに、呼吸器症状を呈する84人の患者(肺炎55人、軽症29人)が確認されています。肺炎と
診断された55人は各々7ヶ所の病院に隔離され、軽症の29人は自宅隔離となっています。
 11月11日の時点で、肺炎の55人中1人はまだ入院中、54人は退院しています。現在、危篤状態の
患者はいません。

公衆衛生上の対応
KCDCと韓国政府は、流行状況に応じて一連の公衆衛生措置を講じています。
・国民に対する毎日のプレスリリース
・1,664人の接触者に対する接触者追跡調査
・潜在的に関連のある症例を報告するためのホットライン設置
・潜在的に関連のある肺炎症例を報告するように各病院へ要求
・影響のあった病院の閉鎖と消毒

これまでにKCDCによって実施されたPCR検査(アデノウイルス、RSウイルス、
パラインフルエンザウイルス、メタニューモウイルス、ボカウイルス、インフルエンザウイルス、
MERS-CoVを含むコロナウイルス)はすべて陰性でした。

現在のところ、ヒト-ヒト感染は認められていません。流行の原因は調査中です。


【出典】
 WHO, Global Alert and Response (GAR).
 Acute respiratory syndrome – Republic of Korea  16 November 2015
 http://www.who.int/csr/don/16-november-2015-acute-respiratory-syndrome/en/