エボラ出血熱の流行状況(66)
平成27年11月18日更新
2015年11月18日、世界保健機関(WHO)は、エボラ出血熱(EVD)の流行状況を更新しました。
要約
1.ギニアにおいて11月15日末の週に新規確定例は報告されておりません。ギニアで最近報告された
症例は10月29日が最後です。報告された患児はエボラ治療センターで生まれ、分娩は個人保護具(PPE)を
装着した医療従事者によって行われました。この症例において接触者はなく、以前の症例との接触者に
おいても21日間の経過観察機関は終了しています。11月16日患児に2回連続行ったエボラウイルスの
血液検査は陰性でした。
2.WHOは11月7日に、シエラレオネにおけるEVD流行が終息したことを宣言しました。現在、
同国は90日のサーベイランス強化期間に入っており、サーベイランス強化は2016年2月5日に終了する
予定です。リベリアとシエラレオネの両国において第3期感染対策の目標を達成しました。目標とは
エボラウイルスの感染伝播において、残っている全ての感染源を絶ちきることです。
3.現在、感染の影響を受けていない地域におけるEVDの再侵入や再出現の迅速な検出を確保するために、
厳重な監視措置が不可欠です。そして、これが第3期感染対策の2つ目の達成すべき目的の中心
となります。そのため、ギニア、リベリア、シエラレオネでは、EVDとの関連が疑われる病気や死亡、
何れの場合においても公的な役員が報告を得られるように、相互の調査体制を構築しています。そのため、
ギニア、リベリア、シエラレオネでは、EVDとの関連が疑われる病気や死亡、何れの場合においても
公的な役員が報告を得られるように、相互の調査体制を構築しています。11月15日末の週に、
ギニアでは国内の全34県から、このような警戒情報26,493件が報告されました。リベリアでは、現在、
同等に利用できるデータはありません。シエラレオネでは、11月8日までの週(利用可能な最新の週)に、
14地区のうち14地区から警戒情報1,496件が報告されました。
4.各国のEVDサーベイランス戦略の一環として、EVDに一致する臨床症状を有する人全員、または
症状を有した全ての患者または死亡者から、血液検体もしくは経口スワブ検体を収集することが必要と
されています。ギニアでは、11月15日末の週に34県のうち14県からの合計587検体が、稼働している
9か所の検査室で新たにかつ繰り返し検査されました。ギニアで検査された全検体のうちの91%は、
遺体から採取されたスワブ検体でした。対照的に、同時期にリベリアでは757検体が新たにかつ繰り返し
検査され、その85%は生存している患者から集められました。またリベリアでは、同期間中に15郡
すべてから検体が収集され、国内で稼働している4か所の検査室で検査されました。シエラレオネでは、
14地区すべてから新たに1,164検体が集められ、稼働している9か所の検査室で検査されました。
シエラレオネの検体の93%は、遺体から採取されたスワブ検体でした。
5.ギニアでは、11月15日末の週に、地域内で463人の死亡が報告されました。これは、人口と1,000人
あたりの年間死亡者数11人に基づいて概算される死亡者数2,248人の約21%に相当しています。報告
された463人の死亡者のうち、1人を除いて全員が安全に埋葬されました。リベリアでは、現在、同等に
利用できるデータはあません。シエラレオネでは、11月8日末の週(利用可能な最新の週)までに、
地域内で1,332人の死亡者が警戒情報システムを通じて報告されました。これは、人口と1,000人あたりの
年間死亡者数17人に基づいて概算される死亡者数2,075人の約64%に相当しています。
第3期感染対策の骨格
1.EVDの流行発生以来、ギニア、リベリア、シエラレオネにおいて、死亡者が11,299人を含む
28,598人のEVD患者が発生しております。これらの患者や死亡者の大部分は2014年8月から12月までに
報告されました。その後3か国において、治療、隔離および安全な埋葬が急速に拡がり、その結果、
患者発生数が減少傾向になりました。この急速な拡がりは、感染対策の第1期として知られ、監視、
接触者の追跡、および地域社会へ介入、継続的な改善に基づいて、2015年前半期までに確立されました。
第2期では、7月末までに患者発生数を週5人以下にすることに成功しました。この患者発生数の顕著な
減少は、流行における第3期への明確な移行の合図となりました。第3期は、ウイルスを持続的に保有する
動物からのエボラ出血熱の再出現という重要性の高い事態が起こる可能性は低いことも踏まえて、
感染伝播が地理的に小さな地域に限定されることで特徴づけられます。残存する感染連鎖の経路を
効果的に断ち切り、ウイルスを持続的に保有する動物のリスクを管理するために、WHOは、
エボラ感染対策の省庁間の協力体制と国内および国際的な加盟国との連携をとる先導的な役割として、
第3期のエボラ感染対策の骨格を立てました。第3期のエボラ感染対策の骨格は、第1期と第2期の
基礎の上に、ワクチンや迅速な感染対応チームが生存者のためにカウンセリングや福祉サービスを
行うことでエボラの感染制御の中で新たな展開を組み込むことを構築します。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
※ 表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、再分類、
再集計、検査結果の利用状況によって変更される場合があります。
※2 リベリアは2015年5月9日にEVD流行の終息が宣言されており、この時点におけるデータです。
※3 2015年5月9日以降に報告された患者数と死亡者数は、5月9日に終息が宣言されたものとは独立した
集団発生の構成によるものです。この発生は9月3日に終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
※4 シエラレオネは2015年11月7日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
【出典】
WHO, Ebola
Ebola Situation Report – 18 November 2015
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-18-november-2015
要約
1.ギニアにおいて11月15日末の週に新規確定例は報告されておりません。ギニアで最近報告された
症例は10月29日が最後です。報告された患児はエボラ治療センターで生まれ、分娩は個人保護具(PPE)を
装着した医療従事者によって行われました。この症例において接触者はなく、以前の症例との接触者に
おいても21日間の経過観察機関は終了しています。11月16日患児に2回連続行ったエボラウイルスの
血液検査は陰性でした。
2.WHOは11月7日に、シエラレオネにおけるEVD流行が終息したことを宣言しました。現在、
同国は90日のサーベイランス強化期間に入っており、サーベイランス強化は2016年2月5日に終了する
予定です。リベリアとシエラレオネの両国において第3期感染対策の目標を達成しました。目標とは
エボラウイルスの感染伝播において、残っている全ての感染源を絶ちきることです。
3.現在、感染の影響を受けていない地域におけるEVDの再侵入や再出現の迅速な検出を確保するために、
厳重な監視措置が不可欠です。そして、これが第3期感染対策の2つ目の達成すべき目的の中心
となります。そのため、ギニア、リベリア、シエラレオネでは、EVDとの関連が疑われる病気や死亡、
何れの場合においても公的な役員が報告を得られるように、相互の調査体制を構築しています。そのため、
ギニア、リベリア、シエラレオネでは、EVDとの関連が疑われる病気や死亡、何れの場合においても
公的な役員が報告を得られるように、相互の調査体制を構築しています。11月15日末の週に、
ギニアでは国内の全34県から、このような警戒情報26,493件が報告されました。リベリアでは、現在、
同等に利用できるデータはありません。シエラレオネでは、11月8日までの週(利用可能な最新の週)に、
14地区のうち14地区から警戒情報1,496件が報告されました。
4.各国のEVDサーベイランス戦略の一環として、EVDに一致する臨床症状を有する人全員、または
症状を有した全ての患者または死亡者から、血液検体もしくは経口スワブ検体を収集することが必要と
されています。ギニアでは、11月15日末の週に34県のうち14県からの合計587検体が、稼働している
9か所の検査室で新たにかつ繰り返し検査されました。ギニアで検査された全検体のうちの91%は、
遺体から採取されたスワブ検体でした。対照的に、同時期にリベリアでは757検体が新たにかつ繰り返し
検査され、その85%は生存している患者から集められました。またリベリアでは、同期間中に15郡
すべてから検体が収集され、国内で稼働している4か所の検査室で検査されました。シエラレオネでは、
14地区すべてから新たに1,164検体が集められ、稼働している9か所の検査室で検査されました。
シエラレオネの検体の93%は、遺体から採取されたスワブ検体でした。
5.ギニアでは、11月15日末の週に、地域内で463人の死亡が報告されました。これは、人口と1,000人
あたりの年間死亡者数11人に基づいて概算される死亡者数2,248人の約21%に相当しています。報告
された463人の死亡者のうち、1人を除いて全員が安全に埋葬されました。リベリアでは、現在、同等に
利用できるデータはあません。シエラレオネでは、11月8日末の週(利用可能な最新の週)までに、
地域内で1,332人の死亡者が警戒情報システムを通じて報告されました。これは、人口と1,000人あたりの
年間死亡者数17人に基づいて概算される死亡者数2,075人の約64%に相当しています。
第3期感染対策の骨格
1.EVDの流行発生以来、ギニア、リベリア、シエラレオネにおいて、死亡者が11,299人を含む
28,598人のEVD患者が発生しております。これらの患者や死亡者の大部分は2014年8月から12月までに
報告されました。その後3か国において、治療、隔離および安全な埋葬が急速に拡がり、その結果、
患者発生数が減少傾向になりました。この急速な拡がりは、感染対策の第1期として知られ、監視、
接触者の追跡、および地域社会へ介入、継続的な改善に基づいて、2015年前半期までに確立されました。
第2期では、7月末までに患者発生数を週5人以下にすることに成功しました。この患者発生数の顕著な
減少は、流行における第3期への明確な移行の合図となりました。第3期は、ウイルスを持続的に保有する
動物からのエボラ出血熱の再出現という重要性の高い事態が起こる可能性は低いことも踏まえて、
感染伝播が地理的に小さな地域に限定されることで特徴づけられます。残存する感染連鎖の経路を
効果的に断ち切り、ウイルスを持続的に保有する動物のリスクを管理するために、WHOは、
エボラ感染対策の省庁間の協力体制と国内および国際的な加盟国との連携をとる先導的な役割として、
第3期のエボラ感染対策の骨格を立てました。第3期のエボラ感染対策の骨格は、第1期と第2期の
基礎の上に、ワクチンや迅速な感染対応チームが生存者のためにカウンセリングや福祉サービスを
行うことでエボラの感染制御の中で新たな展開を組み込むことを構築します。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
国名 |
症例定義 |
症例数 |
21日以内の 症例数 |
死亡者数 |
ギニア |
確定例 |
3,351 |
1 |
2,083 |
可能性例 |
453 |
未報告 |
453 |
|
疑い例 |
0 |
未報告 |
データなし |
|
国別総数 |
3,804 |
1 |
2,536 |
|
リベリア※2 |
確定例 |
3,151 |
- |
データなし |
可能性例 |
1,879 |
- |
データなし |
|
疑い例 |
5,636 |
- |
データなし |
|
国別総数 |
10,666 |
- |
4,806 |
|
リベリア※3 |
確定例 |
6 |
0 |
2 |
可能性例 |
未報告 |
未報告 |
データなし |
|
疑い例 |
データなし |
未報告 |
データなし |
|
国別総数 |
6 |
0 |
2 |
|
シエラレオネ※4 |
確定例 |
8,704 |
0 |
3,589 |
可能性例 |
287 |
未報告 |
208 |
|
疑い例 |
5,131 |
未報告 |
158 |
|
国別総数 |
14,122 |
0 |
3,955 |
|
総数 |
確定例 |
15,212 |
1 |
データなし |
可能性例 |
2,619 |
未報告 |
データなし |
|
疑い例 |
10,767 |
未報告 |
データなし |
|
総数 |
28,598 |
1 |
11,299 |
※ 表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、再分類、
再集計、検査結果の利用状況によって変更される場合があります。
※2 リベリアは2015年5月9日にEVD流行の終息が宣言されており、この時点におけるデータです。
※3 2015年5月9日以降に報告された患者数と死亡者数は、5月9日に終息が宣言されたものとは独立した
集団発生の構成によるものです。この発生は9月3日に終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
※4 シエラレオネは2015年11月7日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
【出典】
WHO, Ebola
Ebola Situation Report – 18 November 2015
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-18-november-2015