エボラ出血熱の流行状況(67)
平成27年11月25日更新
2015年11月25 日、WHO(世界保健機関)は、エボラ出血熱(EVD)の流行状況を更新しました。
要約
1.EVDの確定症3人が、11月22日までの週で、リベリアから報告されました。最初に報告された
症例は15歳男児です。11月19日にグレートモンロビア地域の医療施設に入院後、EVD検査で陽性と
なりました。その後この患児は家族5人と一緒に、エボラ治療センターへ搬送されました。家族のうち
2人(8歳の弟と40歳の父)は隔離後に検査され陽性でした。この家族に加えて、すでに隔離中の
15歳男児と濃厚接触歴がある10人の医療従事者を含む、149人の接触者が確認されました。感染源は
調査中で初期段階です。リベリアは2015年9月3日にエボラ流行の終息宣言がなされていました。
11月7日、WHOはシエラレオネが第3期感染対策の目標を達成したと宣言し、2016年2月5日まで
90日間のサーベイランス強化期間に入りました。11月22日は、ギニアでの最後のEVD患者の検査で
2回連続陰性となって6日目でした。ギニアでの最後のEVD患者が報告されたのは2015年10月29日
でした。
2.11月7日、WHOはシエラレオネが第3期感染対策の目標を達成したと宣言し、2016年2月5日まで
90日間のサーベイランス強化期間に入りました。11月22日は、ギニアでの最後のEVD患者の検査で
2回連続陰性となって6日目でした。ギニアでの最後のEVD患者が報告されたのは2015年10月29日
でした。
3.リベリアでの直近の症例は、現在EVDの影響をうけていない地域での再導入もしくは再度の
緊急事態に迅速に対応するために力強いサーベイランスを行うことが重要であることを強調しています。
第3期感染対策の2つめの目的-残存するEVDの危険性を管理し対応すること-を達成するために、
ギニア、リベリア、シエラレオネの3か国はサーベイランスシステムを設置し、医療従事者や公的機関の
職員がEVDに関連した疾患や死亡例および疑い例を関連当局に報告することができるようにしました。
11月22日までの週で、ギニアの34の県全土から29,176件の警告が報告されました。同等のデータは、
現在リベリアには利用できません。シエラレオネでは、11月15日までの週で(データが利用できるごく
最近の週)1,420件の警告が14地区のうちの14から報告されました。
4.各国のEVDサーベイランスの戦略の一部として、生死にかかわらずEVD に合致した臨床症状が
あった患者から血液や咽頭ぬぐいの検体を集めなければなりません。11月22日までの週に、ギニアでは
34県のうち16県から9つの検査施設で新規及び再検査をあわせた670検体を検査しました。ギニアでの
検体のうち85%が死体からのスワブでした。対照的に、同期間にリベリアで検査された新規及び再検査を
あわせた930検体の82%は、生存している患者から集められた血液検体でした。これに加えて、
リベリアでは、全土14県から同国の稼働中の4つの研究所に検査のための検体を提出しました。
シエラレオネでは全土14地区から新規の1240検体が集められ、稼働中の8つの研究所で検査されました。
シエラレオネでの検体の92%は、死体からのスワブでした。
5.11月22日までの週にギニアから793人の死亡者が同国の警告システムより報告されました。
これは2,248件のコミュニティ死の約35%にあたりますが、これは人口と、1年で1,000人につき11人
との死亡率の推計に基づいています。同等のデータは、リベリアではまだ利用できません。
シエラレオネでは、11月15日までの週の終わりに(データが利用できる直近の週)、2,075人の死亡の
約62%にあたる、1,282件のコミュニティ死の報告が、警報システムによって受領されました。これらは、
人口と1年で人口1,000人につき17人との死亡率の推計に基づいています。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
※ 表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、再分類、
再集計、検査結果の利用状況によって変更される場合があります。
※2 リベリアは2015年5月9日にEVD流行の終息が宣言されており、この時点におけるデータです。
※3 2015年5月9日以降に報告された患者数と死亡者数は、5月9日に終息が宣言されたものとは独立した
集団発生の構成によるものです。
※4 シエラレオネは2015年11月7日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
【出典】
WHO, Ebola
Ebola Situation Report - 25 November 2015
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-25-november-2015
要約
1.EVDの確定症3人が、11月22日までの週で、リベリアから報告されました。最初に報告された
症例は15歳男児です。11月19日にグレートモンロビア地域の医療施設に入院後、EVD検査で陽性と
なりました。その後この患児は家族5人と一緒に、エボラ治療センターへ搬送されました。家族のうち
2人(8歳の弟と40歳の父)は隔離後に検査され陽性でした。この家族に加えて、すでに隔離中の
15歳男児と濃厚接触歴がある10人の医療従事者を含む、149人の接触者が確認されました。感染源は
調査中で初期段階です。リベリアは2015年9月3日にエボラ流行の終息宣言がなされていました。
11月7日、WHOはシエラレオネが第3期感染対策の目標を達成したと宣言し、2016年2月5日まで
90日間のサーベイランス強化期間に入りました。11月22日は、ギニアでの最後のEVD患者の検査で
2回連続陰性となって6日目でした。ギニアでの最後のEVD患者が報告されたのは2015年10月29日
でした。
2.11月7日、WHOはシエラレオネが第3期感染対策の目標を達成したと宣言し、2016年2月5日まで
90日間のサーベイランス強化期間に入りました。11月22日は、ギニアでの最後のEVD患者の検査で
2回連続陰性となって6日目でした。ギニアでの最後のEVD患者が報告されたのは2015年10月29日
でした。
3.リベリアでの直近の症例は、現在EVDの影響をうけていない地域での再導入もしくは再度の
緊急事態に迅速に対応するために力強いサーベイランスを行うことが重要であることを強調しています。
第3期感染対策の2つめの目的-残存するEVDの危険性を管理し対応すること-を達成するために、
ギニア、リベリア、シエラレオネの3か国はサーベイランスシステムを設置し、医療従事者や公的機関の
職員がEVDに関連した疾患や死亡例および疑い例を関連当局に報告することができるようにしました。
11月22日までの週で、ギニアの34の県全土から29,176件の警告が報告されました。同等のデータは、
現在リベリアには利用できません。シエラレオネでは、11月15日までの週で(データが利用できるごく
最近の週)1,420件の警告が14地区のうちの14から報告されました。
4.各国のEVDサーベイランスの戦略の一部として、生死にかかわらずEVD に合致した臨床症状が
あった患者から血液や咽頭ぬぐいの検体を集めなければなりません。11月22日までの週に、ギニアでは
34県のうち16県から9つの検査施設で新規及び再検査をあわせた670検体を検査しました。ギニアでの
検体のうち85%が死体からのスワブでした。対照的に、同期間にリベリアで検査された新規及び再検査を
あわせた930検体の82%は、生存している患者から集められた血液検体でした。これに加えて、
リベリアでは、全土14県から同国の稼働中の4つの研究所に検査のための検体を提出しました。
シエラレオネでは全土14地区から新規の1240検体が集められ、稼働中の8つの研究所で検査されました。
シエラレオネでの検体の92%は、死体からのスワブでした。
5.11月22日までの週にギニアから793人の死亡者が同国の警告システムより報告されました。
これは2,248件のコミュニティ死の約35%にあたりますが、これは人口と、1年で1,000人につき11人
との死亡率の推計に基づいています。同等のデータは、リベリアではまだ利用できません。
シエラレオネでは、11月15日までの週の終わりに(データが利用できる直近の週)、2,075人の死亡の
約62%にあたる、1,282件のコミュニティ死の報告が、警報システムによって受領されました。これらは、
人口と1年で人口1,000人につき17人との死亡率の推計に基づいています。
表1. ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるEVD症例数と死亡者数
国名 |
症例定義 |
症例数 |
21日以内の 症例数 |
死亡者数 |
ギニア |
確定例 |
3,351 |
0 |
2,083 |
可能性例 |
453 |
未報告 |
453 |
|
疑い例 |
0 |
未報告 |
データなし |
|
国別総数 |
3,804 |
0 |
2,536 |
|
リベリア※2 |
確定例 |
3,151 |
- |
データなし |
可能性例 |
1,879 |
- |
データなし |
|
疑い例 |
5,636 |
- |
データなし |
|
国別総数 |
10,666 |
- |
4,806 |
|
リベリア※3 |
確定例 |
9 |
3 |
2 |
可能性例 |
未報告 |
未報告 |
データなし |
|
疑い例 |
データなし |
未報告 |
データなし |
|
国別総数 |
9 |
3 |
2 |
|
シエラレオネ※4 |
確定例 |
8,704 |
0 |
3,589 |
可能性例 |
287 |
未報告 |
208 |
|
疑い例 |
5,131 |
未報告 |
158 |
|
国別総数 |
14,122 |
0 |
3,955 |
|
総数 |
確定例 |
15,215 |
3 |
データなし |
可能性例 |
2,619 |
未報告 |
データなし |
|
疑い例 |
10,767 |
未報告 |
データなし |
|
総数 |
28,601 |
3 |
11,299 |
※ 表1のデータは、各国の保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は、再分類、
再集計、検査結果の利用状況によって変更される場合があります。
※2 リベリアは2015年5月9日にEVD流行の終息が宣言されており、この時点におけるデータです。
※3 2015年5月9日以降に報告された患者数と死亡者数は、5月9日に終息が宣言されたものとは独立した
集団発生の構成によるものです。
※4 シエラレオネは2015年11月7日にEVD流行の終息が宣言されており、現在は90日の高警戒期間に
入っています。
【出典】
WHO, Ebola
Ebola Situation Report - 25 November 2015
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-25-november-2015