(No.202)

ワクチン由来ポリオウイルスの流行-ミャンマー
平成27年12月21日更新

  ミャンマーの国際保健規則(IHR)担当窓口は、WHO(世界保健機関)に対して、循環型ワクチン由来
ポリオウイルス2型(cVDPV2)の診断確定患者2人を報告しました。

症例の詳細情報
 2015年11月8日に、ミャンマーでワクチン由来ポリオウイルス(VDPV2)2型の循環が確認されました。
cVDPV2は、10月5日に急性弛緩性麻痺(AFP)を発症した生後16ヶ月の男児から検出されました。
この男児は、ポリオに対する予防接種を受けていませんでした。今回のウイルス株は、4月16日にAFPを
発症したポリオ患者(28ヶ月齢児)から検出された VDPV2株と同じでした。この2人の患児は、
ラカイン州の同じ町の出身です。4月と10月に検出された分離株の遺伝的な変化は、cVDPV2が
一年以上は循環している可能性を示唆しています。

 詳細な調査が実施され、AFP患者との接触者28世帯/コミュニティの便検体が採取されて研究所に
搬送されています。積極的疫学調査において、新たに3人のAFP患者が確認され、現在調査中です。

 ミャンマーの予防接種率は76%と推定されています(WHO/UNICEF推計, 2014年)。
特定のリスク集団において、予防接種率は低下しています。ミャンマーにおけるサーベイランス指標は
良(2015年の非ポリオAFP率1.8、便検体採取率93%)ですが、地域格差が続いています。

【出典】
 WHO, Emergencies preparedness, response.
 Circulating vaccine-derived poliovirus –Myanmar,
 21 December 2015
http://www.who.int/csr/don/21-december-2015-polio-myanmar/en/