エボラ出血熱の流行状況(80)
平成28年5月5日更新
2016年5月5日、世界保健機関(WHO)はエボラ出血熱(EVD)の流行状況を更新しました。
・2016年3月29日、西アフリカにおけるエボラ出血熱(EVD)流行に関する国際的に懸念される公衆衛生
上の緊急事態 (PHEIC)は解除されました。ギニア、リベリア、シエラレオネでは、合計で28,616人の
感染確定例、可能性例、疑い例及び11,310人の死亡者が報告されています。
・3月17日から4月6日の間に、ウイルスが体内に存続していることの関連性が疑われる最近の感染者集団に
おいて、7人のEVD確定例および3人の可能性例が、ギニア南東部のゼレコレ県(9人の確定例と可能性例)
とマセンタ県(1人の確定例)から報告されました。さらに、4月1日から5日の間に、リベリアの
モントセラド県モンロビアに渡航歴のある、マセンタにおける感染者の妻と2人の子どもが、EVD感染例
であることが確認されました。
・今回の感染者集団の発端となる感染者である、ゼレコレ県Koropara支庁地域在住の37歳の女性は、2月
15日頃に発症し、確定診断されることなく2月27日に死亡しました。この患者の感染源は、EVD生存者に
おけるウイルス存続に起因している可能性が高いです。
・ギニアとリベリアにおいて、9人の死亡者を含む13人の感染者と関係した、1,000人以上の接触者が存在
します。全ての接触者は、21日間の追跡調査期間を4月27日に終了しています。
・ギニアでは、最後の感染者において、4月19日の2回目の検査結果においてもエボラウイルスが陰性
でした。リベリアでは、残り1人となっていた入院患者である2歳の男児が元気であることが報告されて
いますが、退院前に連続する2回の検査結果で陰性となる必要があります。
・ギニアとリベリアでは、流行の終息宣言が可能となる前に、42日間(潜伏期間である21日間の2倍)を
経過しなければなりません。ギニアでは4月19日にカウントダウンが開始され、5月31日に終了する予定
です。リベリアでは最後の感染者が2回目の検査結果において陰性であることを確認された時点から
カウントダウンが開始されます。
・この集団感染に対する対策の一環として、ギニアでは、接触者および二次接触者に対するワクチン接種が
実施されました。このキャンペーンは3月22日に開始され、1,500人以上にワクチン接種が実施され
ました。
リスク評価
以前のアウトブレイクは停止していますが、達成指標を見る限り、3か国において感染の予防(生存者の
ケア)、感染の検出(疫学的及び検査室におけるサーベイランス)及び新たなアウトブレイクに対する対応
能力に差があることが示唆されています。新たなアウトブレイクが発生する危険性は今後も残っています。
【出典】
WHO, Ebola
Ebola Situation Report - 5 May 2016
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/205945/1/ebolasitrep_5may2016_eng.pdf?ua=1
・2016年3月29日、西アフリカにおけるエボラ出血熱(EVD)流行に関する国際的に懸念される公衆衛生
上の緊急事態 (PHEIC)は解除されました。ギニア、リベリア、シエラレオネでは、合計で28,616人の
感染確定例、可能性例、疑い例及び11,310人の死亡者が報告されています。
・3月17日から4月6日の間に、ウイルスが体内に存続していることの関連性が疑われる最近の感染者集団に
おいて、7人のEVD確定例および3人の可能性例が、ギニア南東部のゼレコレ県(9人の確定例と可能性例)
とマセンタ県(1人の確定例)から報告されました。さらに、4月1日から5日の間に、リベリアの
モントセラド県モンロビアに渡航歴のある、マセンタにおける感染者の妻と2人の子どもが、EVD感染例
であることが確認されました。
・今回の感染者集団の発端となる感染者である、ゼレコレ県Koropara支庁地域在住の37歳の女性は、2月
15日頃に発症し、確定診断されることなく2月27日に死亡しました。この患者の感染源は、EVD生存者に
おけるウイルス存続に起因している可能性が高いです。
・ギニアとリベリアにおいて、9人の死亡者を含む13人の感染者と関係した、1,000人以上の接触者が存在
します。全ての接触者は、21日間の追跡調査期間を4月27日に終了しています。
・ギニアでは、最後の感染者において、4月19日の2回目の検査結果においてもエボラウイルスが陰性
でした。リベリアでは、残り1人となっていた入院患者である2歳の男児が元気であることが報告されて
いますが、退院前に連続する2回の検査結果で陰性となる必要があります。
・ギニアとリベリアでは、流行の終息宣言が可能となる前に、42日間(潜伏期間である21日間の2倍)を
経過しなければなりません。ギニアでは4月19日にカウントダウンが開始され、5月31日に終了する予定
です。リベリアでは最後の感染者が2回目の検査結果において陰性であることを確認された時点から
カウントダウンが開始されます。
・この集団感染に対する対策の一環として、ギニアでは、接触者および二次接触者に対するワクチン接種が
実施されました。このキャンペーンは3月22日に開始され、1,500人以上にワクチン接種が実施され
ました。
リスク評価
以前のアウトブレイクは停止していますが、達成指標を見る限り、3か国において感染の予防(生存者の
ケア)、感染の検出(疫学的及び検査室におけるサーベイランス)及び新たなアウトブレイクに対する対応
能力に差があることが示唆されています。新たなアウトブレイクが発生する危険性は今後も残っています。
【出典】
WHO, Ebola
Ebola Situation Report - 5 May 2016
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/205945/1/ebolasitrep_5may2016_eng.pdf?ua=1