(No.103)

ジカウイルス感染症の流行状況(2)
平成28年5月5日更新

 2016年5月5日、世界保健機関(WHO)はジカウイルス感染症の流行状況を更新しました。

要約
ジカウイルス感染症-小頭症とギランバレー症候群-
・蚊媒介性感染症
  ・2015年以来、44か国で初めてのジカウイルス感染症の流行が報告されましたがこれらの国では過去に
   同ウイルスの循環がなく、現在もこの蚊媒介感染症の伝播が継続しています。
  ・13か国では2007年から2014年の間にジカウイルス感染症の感染伝播が報告され、現在もこの伝播が
   継続しています。
  ・4つの国と地域(クック諸島、フランス領ポリネシア、チリのイースター島、ミクロネシア連邦政府
   観光局のヤップ島)では2015年以降報告がありましたが、現在流行は終息しています。
・ヒト-ヒト伝播
  9か国において、ジカウイルスがおそらく性交渉によってヒト-ヒト感染することが報告されています。
・5月4日末の週に、新たにペルーとサン・バルテルミー島からジカウイルス感染症の報告がありました。
・ジカウイルス感染症との関連性が疑われる小頭症や他の胎児奇形や先天性感染を示唆する所見は6つの
 国と地域から報告されています。ブラジルでの滞在歴と関連のある2症例がスロベニアとアメリカで報告
 されました。さらに、アメリカからメキシコ、グアテマラ、ベリーズでの短期滞在に関連した妊婦の
 症例が報告されています。最近、マーシャル諸島での症例も報告され、関連性の確認をしています。
・ジカウイルスの循環と関連して、13の国と地域でギランバレー症候群(GBS)の発生率とGBS患者で
 ジカウイルス感染確定例が増加していると報告しています。
・これまでの研究によると、ジカウイルスが小頭症やギランバレー症候群の原因となる科学的根拠があると
 言えます。
・戦略的対応フレームワークとしてWHOが立ち上げた地球規模での予防、コントロール戦略には、監視、
 対応する活動や研究などがふくまれています。WHOは公衆衛生上の緊急事態に対応するための主な
 介入を国際的・地域的・国家的なパートナーと共同で実施します。
・2016年5月4日から5日にかけて、アメリカワシントンD.C.において関連技術や支援スタッフと共に
 6つのWHO地域事務局と本部のインシデント担当者がは、過去と現在の活動の確認、要となる課題に
 関する議論、効果的な協力体制の継続確保のために将来的な活動戦略をどうすすめるかについて会合を
 開きました。
・WHOはジカウイルスに対して新たな助言や多様なトピックの情報を公開しています。リスク
 コミュニケーションやコミュニティーの取り決めに役立つようなWHOの最新情報やニュース、資料は
 オンラインから入手可能です。



【出典】
WHO, Zika
ZIKA Situation Report - 5 MAY 2016
http://www.who.int/emergencies/zika-virus/situation-report/5-may-2016/en/