(No.11)

ボリビアにおけるジカウイルス感染症
2016年1月20日

  2016年1月16日、ボリビア保健省は国際保健規則(IHR)担当窓口を通して、同国で初めてとなる
ジカウイルス感染例が検査で確認されたことを汎アメリカ保健機構/世界保健機関(PAHO/WHO)に
報告しました。患者は32歳の妊婦で、サンタクルス県のPortachuelo市に在住しており1月8日に
発症しました。患者は旅行歴がありません。

 1月12日、患者の検体は国立熱帯病センターへ検査のため送られました。1月14日、ウイルス遺伝子の
探索法であるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により陽性が確認されました。

公衆衛生上の取り組み
 ボリビアの保健当局は以下の対策を行っています。サーベイランスの強化、媒介蚊の防除対策の実行、
ジカウイルスに関連した危険性について住民への教育、蚊刺傷に対するあらゆる予防策を実行することの
推奨。

WHOからのアドバイス
 居住地域と媒介蚊の繁殖地域が近接していることは、ジカウイルス感染症の危険因子となります。
感染症予防対策として重要な事は、繁殖地の除去や改変を通して蚊の繁殖を抑制し、蚊との接触を
極力避けることです。これは、幼虫の生息地となる自然および人工の水源を減らすことで危険地域の
成虫蚊の数を減らし、防蚊ネットを使用し窓や戸口を閉め、長袖の着用や防虫剤を使用することで
達成されます。この感染症の主要な媒介蚊となるヤブカは日中に活動することが知られており、
小さい子供、病人や老人など日中に睡眠をとる人々は、殺虫剤が塗布された、あるいは未塗布のもので
あっても蚊帳を使用して睡眠をとることが推奨されています。また、蚊取線香やその他の
殺虫剤用噴霧器も、蚊に刺される機会を減らすのに役立つでしょう。
 感染が流行している間は、殺虫剤の散布がWHOの技術指南のもと実行される場合があります。技術的に適応のある場合に、WHOの殺虫剤評価体系によって推奨されている適切な殺幼虫剤が、大きな貯水タンクに対して使用されるでしょう。
 蚊咬傷を防止するための基本的な予防策が、危険性の高い地域に旅行する人々、特に妊婦に対して
実行されるべきです。この予防策として、忌避剤の使用、明るい色の服、長袖、長ズボンの着用、
蚊の侵入を防ぐために隙間なく網戸を設置する、等が挙げられます。
 WHOは、ボリビアに対する、現在の情報に基づいたいかなる旅行や貿易の制限を推奨しません。

【出典】
WHO, Emergencies preparedness, response.
 Zika virus infection – Bolivia
 20 January 2016
http://www.who.int/csr/don/20-january-2016-zika-bolivia/en/