ジカウイルス感染症の流行状況(7)
平成28年6月9日更新
2016年6月9日、世界保健機関(WHO)はジカウイルス感染症の流行状況を更新しました。
要約
・2016年6月8日現在、以下の様に60の国と地域において引き続き蚊による感染伝播が報告されています。
・2015年以来、46か国において今回初めての流行が報告されています。これらの国々では過去に
ジカウイルス感染症流行の形跡がなく、現在もこの蚊による感染伝播が継続して発生しています。
・2007年から2014年の間に14か国においてジカウイルス感染症の感染伝播が報告されており、
現在もこの伝播が継続して発生しています。
・2007年から2014年の間には、4つの国と地域(クック諸島、フランス領ポリネシア、チリのイースター島、
ミクロネシア連邦政府観光局のヤップ島)においてジカウイルス感染症の感染伝播が報告されましたが、
現在は終息しています。
・10か国においてジカウイルスのヒト-ヒト感染例が報告されており、これらはおそらく性交渉によって
感染したと思われます。
・6月8日までの週において、ジカウイルスの蚊媒介による感染例またはヒト-ヒト感染例について
新たに報告した国はありません。
・6月8日現在、ジカウイルス感染が潜在的に関連している、あるいは先天性の感染が示唆される小頭症や
その他の中枢神経系(CNS)の奇形が、11の国と地域から報告されています。これらの報告のうち3例は、
ブラジルとコロンビアへの最近の渡航歴のある母親(前者はスロベニアと米国、後者はスペインの感染者)
からの小頭症児の出産でしたが、新たに発生した1例については、ラテンアメリカへの渡航先についての
詳細が明らかでありませんでした。
・ジカウイルス感染症の流行を背景に、13の国と地域において、ギランバレー症候群(GBS)例
および(あるいは)GBS患者でジカウイルス感染確定例が増加していることが報告されています。
・6月8日現在、カーボベルデ共和国において血清学的指標から過去にジカウイルス感染があり小頭症や
神経学的異常のある6人が報告されています。
・現在までの研究を踏まえると、ジカウイルスが小頭症やギランバレー症候群の原因であることは、
科学的なコンセンサスがあります。
・2016年2月にWHOが立ち上げた戦略的な対応の枠組みには、サーベイランス、対策活動および研究が
内包されています。この公衆衛生上の緊急事態に対して、WHOが国際的パートナー、地域および国家の
パートナーとともに着手している、いくつかの主要な活動に関して中間発表が公表されました。
2016年7月から2017年12月の期間における対応戦略の改訂が現在もパートナーと共に行われており、
6月中旬に公表される予定です。
・WHOは、ジカウイルスを背景とした様々なテーマに関して新たな勧告や情報を展開してきました。
WHOの最新情報である統合されプログラムに従ったリスクコミュニケーションやコミュニティーへの
関与を支援するためのニュースおよび情報源についてはオンラインで利用可能です。
リスク評価
カーボベルデ共和国におけるアジア系統(ウイルス)の存在意義は未だ不明ですが、全体として、
世界におけるリスク評価に変更はありません。ジカウイルスは媒介能力をもつ蚊が生息する地域で、
地理的拡がりを続けています。いくつかの国やその国の一部の地域では、ジカウイルス感染症の患者が
減少する傾向が報告されていますが、警戒体制を強化しておくことが必要です。利用できる証拠に
基づいて、現段階でWHOは全体として流行が終息する傾向にあるとはみていません。
図1:2013年から2016年の世界におけるジカウイルスの拡大図

【出典】
WHO, Zika
ZIKA Situation Report - 9 June 2016
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/208877/1/zikasitrep_9Jun2016_eng.pdf?ua=1
要約
・2016年6月8日現在、以下の様に60の国と地域において引き続き蚊による感染伝播が報告されています。
・2015年以来、46か国において今回初めての流行が報告されています。これらの国々では過去に
ジカウイルス感染症流行の形跡がなく、現在もこの蚊による感染伝播が継続して発生しています。
・2007年から2014年の間に14か国においてジカウイルス感染症の感染伝播が報告されており、
現在もこの伝播が継続して発生しています。
・2007年から2014年の間には、4つの国と地域(クック諸島、フランス領ポリネシア、チリのイースター島、
ミクロネシア連邦政府観光局のヤップ島)においてジカウイルス感染症の感染伝播が報告されましたが、
現在は終息しています。
・10か国においてジカウイルスのヒト-ヒト感染例が報告されており、これらはおそらく性交渉によって
感染したと思われます。
・6月8日までの週において、ジカウイルスの蚊媒介による感染例またはヒト-ヒト感染例について
新たに報告した国はありません。
・6月8日現在、ジカウイルス感染が潜在的に関連している、あるいは先天性の感染が示唆される小頭症や
その他の中枢神経系(CNS)の奇形が、11の国と地域から報告されています。これらの報告のうち3例は、
ブラジルとコロンビアへの最近の渡航歴のある母親(前者はスロベニアと米国、後者はスペインの感染者)
からの小頭症児の出産でしたが、新たに発生した1例については、ラテンアメリカへの渡航先についての
詳細が明らかでありませんでした。
・ジカウイルス感染症の流行を背景に、13の国と地域において、ギランバレー症候群(GBS)例
および(あるいは)GBS患者でジカウイルス感染確定例が増加していることが報告されています。
・6月8日現在、カーボベルデ共和国において血清学的指標から過去にジカウイルス感染があり小頭症や
神経学的異常のある6人が報告されています。
・現在までの研究を踏まえると、ジカウイルスが小頭症やギランバレー症候群の原因であることは、
科学的なコンセンサスがあります。
・2016年2月にWHOが立ち上げた戦略的な対応の枠組みには、サーベイランス、対策活動および研究が
内包されています。この公衆衛生上の緊急事態に対して、WHOが国際的パートナー、地域および国家の
パートナーとともに着手している、いくつかの主要な活動に関して中間発表が公表されました。
2016年7月から2017年12月の期間における対応戦略の改訂が現在もパートナーと共に行われており、
6月中旬に公表される予定です。
・WHOは、ジカウイルスを背景とした様々なテーマに関して新たな勧告や情報を展開してきました。
WHOの最新情報である統合されプログラムに従ったリスクコミュニケーションやコミュニティーへの
関与を支援するためのニュースおよび情報源についてはオンラインで利用可能です。
リスク評価
カーボベルデ共和国におけるアジア系統(ウイルス)の存在意義は未だ不明ですが、全体として、
世界におけるリスク評価に変更はありません。ジカウイルスは媒介能力をもつ蚊が生息する地域で、
地理的拡がりを続けています。いくつかの国やその国の一部の地域では、ジカウイルス感染症の患者が
減少する傾向が報告されていますが、警戒体制を強化しておくことが必要です。利用できる証拠に
基づいて、現段階でWHOは全体として流行が終息する傾向にあるとはみていません。
図1:2013年から2016年の世界におけるジカウイルスの拡大図

【出典】
WHO, Zika
ZIKA Situation Report - 9 June 2016
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/208877/1/zikasitrep_9Jun2016_eng.pdf?ua=1