(No.137)

中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染症-サウジアラビア
2016年6月19日更新

 2016年5月15日から6月15日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口は世界保健機関(WHO)に対して、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を1人の死亡者を含め新たに6人報告しました。

症例の詳細情報

1.49歳の女性です。Buridah市出身で6月9日に発症し6月10日に入院しました。6月12日に
 MERS-CoV検査で陽性と判明しました。患者には基礎疾患がありました。発症前14日以内にその他の
 既知の危険因子への曝露歴について調査中です。現在患者は危篤状態で集中治療室(ICU)に入院中です。

2.68歳の男性です。マディーナ市出身で6月8日に発症し6月13日に入院しました。6月15日に
 MERS-CoV検査で陽性と判明しました。患者には基礎疾患があり、ラクダの生乳の喫食歴が頻回に
 ありました。現在患者の状態は安定しており、陰圧室に入院中です。農業省は報告を受けラクダの調査を
 行っています。

3.54歳男性です。Alkharj市出身で6月7日に発症し6月11日に入院しました。6月13日にMERS-CoV検査で
 陽性と判明しました。患者には基礎疾患があり、ラクダとの接触歴およびラクダの生乳の喫食歴が
 頻回にありました。発症前14日以内にその他の既知の危険因子への曝露歴はありません。
 現在患者の状態は安定しており、陰圧室に入院中です。農業省は報告を受けラクダの調査を行っています。

4.59歳男性です。Tabuk市出身で6月1日に発症し6月6日に入院しました。6月8日にMERS-CoV検査で
 陽性と判明しました。患者には基礎疾患があり、ラクダとの接触歴およびラクダの生乳の喫食歴が頻回に
 ありました。発症前14日以内にその他の既知の危険因子への曝露歴はありません。6月12日に患者は
 死亡しました。農業省は報告を受けラクダの調査を行っています。

5.85歳の女性です。リヤド市出身で5月27日に発症し6月1日に入院しました。6月1日に咽頭拭い検査を
 行い6月2日にMERS-CoV検査で陽性と判明しました。患者には基礎疾患がありました。
 発症前14日以内にその他の既知の危険因子への曝露歴について調査中です。現在患者の状態は
 安定しておりで陰圧室に入院中です。

6.72歳男性です。Hail市出身で5月8日に発症し5月12日リヤドの病院に入院しました。5月12日に
 MERS-CoV検査で陽性と判明しました。患者には基礎疾患があり、ラクダとの接触歴および
 ラクダの生乳の喫食歴が頻回にありました。発症前14日以内にその他の既知の危険因子への曝露歴は
 ありません。現在患者の状態は安定しており、陰圧室に入院中です。6月12日に患者は死亡しました。
 農業省は報告を受けラクダの調査が行われました。

 WHOには、2012年9月以降、全世界で 1,739人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、そのうち629人が関連死しています。

【出典】
WHO,
Emergencies preparedness, response
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia
19 June 2016
http://www.who.int/csr/don/19-june-2016-mers-saudi-arabia/en/