(No.160)

ジカウイルス感染症の流行状況(15)
平成28年8月4日更新

 2016年8月4日、世界保健機関(WHO)はジカウイルス感染症の流行状況を更新しました。

要約
・蚊媒介による伝播:2016年8月3日現在、以下の様に68の国と地域において引き続き蚊による感染伝播が
 報告されています(2015年以降、蚊によるジカウイルスの感染伝播が起こった地域は65か国です)。
 ・2015年以降、51の国と地域において初めて流行が報告されています。
 ・4か国において2016年以降に地域内の流行が起こっている可能性があるか、蚊を介したジカウイルス
  感染の報告がある国として定義されています。
 ・13の国と地域において2015年以前に蚊の媒介によるジカウイルスの感染伝播が報告され、
  その後2016年には患者報告がないまたは流行が終息しています。
・米国において2016年7月29日に蚊媒介によるジカウイルス感染が初めて報告されました。
・2016年2月以降、11か国においてジカウイルスのヒト-ヒト感染例が報告されており、これらはおそらく
 性交渉によって感染したと思われます。
・2016年3月現在、ジカウイルス感染症と関係する可能性の高い、または先天性の感染が示唆される
 小頭症やその他の中枢神経(CNS)奇形が、14の国と地域から報告されています。先週は新たに小頭症が
 報告された国または地域はありませんでした。これら14の国と地域のうち3か国では、ジカウイルス感染
 の国内流行は無くジカウイルスの流行が報告されている中南米からの輸入例のみが報告されている国々の
 母親からの感染の報告です。
・8月3日現在、アメリカ疾病管理予防センター(US-CDC)は、ジカウイルス感染が検査で証明された、
 先天異常を伴う13人の新生児の出産と6例の死産を報告しました。
・2016年8月3日現在、15の国と地域において、ギランバレー症候群(GBS)例および(あるいは)GBS患者で
 ジカウイルス感染確定例が増加していることが報告されています。
・6月29日にギニアビサウでは、セネガルのダカールパスツール研究所(IPD)で行われたPCR検査の結果、
 12検体のうち3 検体がジカウイルス陽性でした。またジカウイルスに対するIgMは12検体全てが
 陰性でした。最近追加検査された患者1検体においてもジカウイルス陽性でした。7月1日にIPDに
 送られた4検体については現在遺伝子解析中のため、結果はまだ保留中です。これらに加えて22検体が
 検査のために集められ送られており、結果はまだ保留中です。
・オリンピック期間中、メディアからの質問に答えるためにWHOの技術専門家の名簿が利用できるように
 なります。
・WHOは、ジカウイルスを背景とした様々なテーマに関して、新たな勧告や情報を作成しています。



【出典】
WHO,SITUATION REPORT
ZIKA VIRUS ,MICROCEPHALY, GUILLAIN-BARRÉ SYNDROME
4 August 2016
http://www.who.int/emergencies/zika-virus/situation-report/4-august-2016/en/