(No.17)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例(219)-サウジアラビア
2016年1月26日

 2015年12 月27 日から2016年1月13日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口は
世界保健機関(WHO)に対して、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を新たに4人
報告しました。

症例の詳細情報
1. 50歳男性。Madinah市の住民で1月3日に発症し1月10日にMadinahの医療機関に入院しました。
 患者には基礎疾患があり、1月12日にMERS-CoV検査で陽性と判明しました。現在のところ、患者は
 集中治療室に入っており危篤状態です。患者にはラクダとの頻回の接触歴およびラクダの生乳の喫食歴が
 ありました。発症前14日以内にその他の既知の危険因子への曝露はありません。

2. 85歳男性。Bisha市の住民で1月3日に発症し、病院で治療を受けた後、帰宅しました。患者は、治療を
 受ける医療機関を探すために、1月9日に飛行機でリヤド市へ来訪し、そのまま入院しています。患者には
 基礎疾患があり、1月11日にMERS-CoV検査で陽性と判明しました。現在のところ、患者の状態は
 落ち着いており、陰圧の隔離室に入室しています。患者にはラクダとの頻回の接触歴およびラクダの
 生乳の喫食歴がありました。発症前14日以内にその他の既知の危険因子への曝露はありません。

3. 59歳男性。Onizah市の住民で、2015年12月18日に発症し、12月27日に入院しました。患者は
 ヘビースモーカーで基礎疾患があり、12月28日にMERS-CoV検査で陽性と判明しました。現在のところ、
 患者は集中治療室に入っており危篤状態です。患者にはラクダとの頻回の接触歴およびラクダの生乳の
 喫食歴がありました。患者は、発症前14日以内にその他の既知の危険因子への曝露はありません。

4. 54歳男性。Jeddah市の住民で、2015年12月14日に発症し、12月24日に入院しました。患者には
 基礎疾患があり、12月26日にMERS-CoV検査で陽性と判明しました。現在のところ、患者の状態は
 落ち着いており、陰圧の隔離室に入室しています。患者にはラクダとの頻回の接触歴がありました。

 WHOには、2012年9月以降、全世界で 1,630人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、
そのうち586人が関連死しています。

【出典】
WHO, Emergencies preparedness, response.
 Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia
 26 January 2016
http://www.who.int/csr/don/26-january-2016-mers-saudi-arabia/en/