(No.173)

黄熱の流行状況
平成28年9月2日更新

  黄熱のアウトブレイクは、2015年12月末にアンゴラ共和国の首都ルアンダで最初に認められました。
最初の黄熱感染者は、2016年1月19日に南アフリカの国立伝染病研究所(NICD)により、1月20日に
セネガルの首都ダカールのパスツール研究所により確認されています。その後、感染者数の急激な増加を
認めています。

更新情報の要約
アンゴラの疫学情報の更新(8月25日現在):
 6月23日以来、新しい診断確定例はありません。
 8月29日現在、2,761,104人がアンゴラでワクチン接種を受けました。9月1日現在、9,048,541人が
コンゴ民主共和国(DRC)の保健行政区でワクチン接種を受けました。
 アンゴラとDRCでのアウトブレイクは国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC) には
あたらないが、深刻な公衆衛生上の事象として継続しているとの見解を示しました。

コンゴ民主共和国(DRC)の疫学情報の更新(2016年9月1日現在):
 2,513人の疑い患者が全26州中8州から報告されています。
 2,164人に対して検査が行われ、75人の診断が確定し、このうち死亡者は16人でした(CFR:21.33%)。
75人の診断確定例が7州から報告されており、このうち、57人がアンゴラからの輸入例、13人が
国内発生例、5人が今回の流行との関連のない森林型黄熱例です。また、新たに患者が発見された
同国北部の南ウバンギ州において疑い患者1人が調査中です。

黄熱に対するワクチンン接種
 黄熱に関する第2回緊急委員会が8月31日に開催されました。委員会はアンゴラとDRCでの黄熱の
アウトブレイクは国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC) にはあたらないとの見解を
示しました。

 アンゴラの現地感染が確認された地域において、アウトブレイク対策としてのワクチン集団接種
キャンペーンが実施されています。更に、8月15日には予防的ワクチン接種キャンペーンが実施されました。
キャンペーンの初期フェーズは完了し8月29日現在2,761,104人がワクチン接種を受けました。
これは感染リスク地域における約300万人のうち目標の93%に当たります。

 予防的ワクチン接種キャンペーンは8月17日DRCで実施されました。9月1日現在、7,807,653人(目標人口
の103%にあたる)がキンシャサ州の保健行政区でワクチン接種をうけました。2,582,056人が
中央カサイ州、カサイ州、中央コンゴ州、クワンゴ州、ルアラバ州の保健行政区でワクチン接種を受けた
と報告されています。カサイ州とクワンゴ州ではキャンペーンは進行中です。

【出典】
WHO Yellow Fever
Yellow fever situation report
http://www.who.int/emergencies/yellow-fever/situation-reports/2-september-2016/en/