(No.18)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例(220)-アラブ首長国連邦
2016年1月26日

 2016年1 月11 日から1月14日までの間に、アラブ首長国連邦の国際保健規則(IHR)担当窓口は
世界保健機関(WHO)に対して、1人の死亡を含む中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)
感染確定例を新たに2人報告しました。

症例の詳細情報
1. 73歳男性。アブダビ市の住民で2015年12月27日に発症し、アブダビの医療機関を受診しました。
 患者は治療を受け、同日に帰宅しました。12月31日、患者は家族と共にオマーンへ旅行し、2016年
 1月1日にアブダビへ帰りました。同日、患者の症状は増悪し、入院しました。患者には基礎疾患が
 ありませんが、2016年1月10日にMERS-CoV検査で陽性と判明し、1月25日に死亡しました。患者には
 ラクダとの頻回の接触歴があり、発症前14日以内にラクダの生乳の喫食歴がありましたが、アブダビ
 およびオマーンにおいてその他の危険因子への曝露はありません。

2.85歳女性。アブダビ市の住民で、接触者の追跡調査によって発見されました。患者はMERS-CoV感染
 確定例との接触者です。患者には、発症前14日以内にその他の危険因子への曝露はありません。患者には
 基礎疾患がなく、1月13日にMERS-CoV検査で陽性と判明しました。現在のところ患者に症状はなく、
 陰圧の隔離室に入院中です。

 患者と接触歴がある家族や介護者の追跡調査が行われています。WHOには、2012年9月以降、
全世界で 1,632人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、そのうち587人が関連死しています。


【出典】
WHO, Emergencies preparedness, response.
 Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – United Arab Emirates
 26 January 2016
http://www.who.int/csr/don/26-january-2016-mers-are/en/