(No.180)

黄熱の流行状況(21)
平成28年9月16日更新

 黄熱のアウトブレイクは、2015年12月末にアンゴラ共和国の首都ルアンダで最初に認められました。
最初の黄熱感染者は、2016年1月19日に南アフリカの国立伝染病研究所(NICD)により、1月20日に
セネガルの首都ダカールのパスツール研究所により確認されています。その後、感染者数の急激な増加を
認めています。

主な更新内容
アンゴラの疫学情報の更新(9月15日現在)
 当該週に新たに4人の検査陽性例が発生しました。その内2人は最近ワクチン接種を受けているため
除外され、残りの2人は現在調査中です。
 フェーズⅡのワクチン接種キャンペーンの準備が整い、間もなく12州9県で開始される予定です。

コンゴ民主共和国(DRC)疫学情報の更新(9月14日現在)
 南ウバンギ州内Budjala保健行政区から報告された2例目(関西空港検疫所海外感染症情報既報176で
報告された例)は黄熱の診断が確定しました。調査の結果、報告されているアウトブレイクとは無関係の
森林型サイクルによる感染例に分類されています。南ウバンギ州のBominenge保健行政区から
報告された例(関西空港検疫所海外感染場情報既報170で報告された例)は現在も調査中です。
 DRCにおける予防的なワクチン接種キャンペーンは終了しています。6州における全体での行政による
ワクチン接種率は102.7%となりました。クワンゴ州Feshi 及び Mushenge保健行政区における
アウトブレイク対策ワクチン接種キャンペーンは次週から開始される予定です。

解析評価
 森林型サイクルによる感染疑い例、確定例が引きつづき発見されることは、いくつかの地域で活発な
調査が功を奏していることを示しています。それでもなお調査や診断確定の能力についての本来の
難しさを特に言及しておかなければなりません。いくつかの遠隔地においては患者の発見が遅延する
可能性が残っています。強化された持続的なサーベイランスを行う努力が今以上に不可欠です。

【出典】
WHO Yellow Fever
Yellow Fever Situation Report
16 September 2016
http://www.who.int/emergencies/yellow-fever/situation-reports/16-september-2016/en/