(No.189)

ジカウイルス感染症の流行状況(24)
平成28年10月6日更新

 2016年10月6日、世界保健機関(WHO)はジカウイルス感染症の流行状況を更新しました。

更新情報
・ 初めて蚊媒介によるジカウイルス感染症の報告があった国または地域:
 o なし
・ タイ保健省の調査により、2016年9月30日にジカウイルス感染に関連した小頭症2例が
 確定診断されました。これは東南アジアにおける初めてのジカウイルス感染症に関連した小頭症です。
 2例の母親達には国外への渡航歴はないと報告されています。
・ 初めてジカウイルス感染症と関係する可能性の高い、または先天性の感染が示唆される小頭症や
 その他の中枢神経(CNS)奇形が報告された国または地域:
 o タイ
・ 初めてジカウイルス感染症と関係するギラン・バレー症候群(GBS)例が報告された国または地域:
 o メキシコ

分析
・ 全体的には、世界的なリスク評価は変わっていません。
・ タイにおいて報告されたジカウイルス関連の小頭症2例は、この合併症が東南アジアで起こりうることを
 確証しています。このウイルスの遺伝子のシークエンス分析が不成功に終わったため、母親達の感染は
 以前から東南アジアで孤立していたウイルスに関連したものなのかも、アメリカ大陸からの輸入例による
 感染伝播なのかも不明です。2016年2月タイで小頭症の活動的サーベイランスのための計画が
 打ち立てられ、先天性疾患のサーベイランスのための日常業務に組み込まれました。東南アジアにおいて
 以前から循環しているジカウイルス遺伝子型が小頭症や他の合併症に関連していることが判明すれば、
 ジカウイルス関連の合併症は、2013年から西大西洋地域やアメリカ大陸やカーボベルデ共和国で流行し
 循環しているアジア遺伝子型に限られたものではないことが証明され、世界的なリスク評価において
 重要な影響を与えるでしょう。
・ ジカウイルスが流行していると思われる国々におけるジカウイルスに関連した合併症のリスクは、
 異なるウイルス遺伝子型間で関連するリスクやこれらのジカウイルス流行地域での住民の免疫状態が
 不確定なため、大部分では知られておりません。後の問題に対処するために血清学的流行の研究が
 早急に必要です。

【出典】
Zika situation report
6 October 2016
Zika virus, Microcephaly and Guillain-Barré syndrome
http://www.who.int/emergencies/zika-virus/situation-report/6-october-2016/en/