(No.192)

中央アフリカ共和国におけるサル痘
平成28年10月13日更新

 2016年9月6日、オート・コト州保健局の保健省職員はIra Banda保健センターに入院しているサル痘疑い症例について、保健省本省に報告しました。8月17日に発症した最初の患者は猟師で、検査機関で検査するための検体は採取されずに村で死亡しました。
9月4日から10月7日までの間に26人が入院し、うち3人は検査機関でサル痘と確定診断されています。現在、流行の規模を評価するために疫学調査を継続しています。

公衆衛生上の取り組み
・把握可能な症例に対する公衆衛生学的サーベイランスの強化
・医療従事者における個人保護具取扱い訓練や、健康管理上の適切な手指衛生や手洗い手順の提唱
・患者管理のために2種類の隔離装置を設置
・サル痘患者への無料診療提供
・サル痘伝播予防措置に対する国民の意識向上
・International Medical Corps (IMC)とthe Catholic Organisation for Relief and Development Aid(CORDAID)が患者管理および予防措置支援に従事

WHOからのアドバイス
 熱帯アフリカではサル痘の小流行が定期的に発生しています。通常、サル痘は感染動物との接触や感染動物による咬傷で人に感染します。流行期間中は、患者との濃厚接触によりヒト-ヒト感染も起こりうりますが、現在、サル痘がヒトの間でヒト-ヒト感染だけで感染伝播を維持している証拠はありません。
 患者発生地域の医療施設では設備が不十分な隔離病棟やサル痘に関する既知の伝播力学の知識不足が問題となっていますので、WHOは患者を看護する人や医療従事者に対して、感染予防対策と管理手順を遵守することを推奨しています。
 現段階では、流行が比較的僻地で人口がまばらな地域で発生していることを考慮すると、国際的に感染が拡大するリスクは限定的のようです。
 WHOは入手可能な最新の情報に基づいて、中央アフリカ共和国に対するいかなる旅行や貿易の制限を推奨していません。