(No.219)

中国における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例
2016年12月19日更新

 2016年12月14日、マカオ特別行政区の保健局は世界保健機関(WHO)に対し、同地域において58歳の男性が鳥インフルエンザA(H7N9)に感染したことを報告しました。

 12月13日にマカオの卸売市場において定期検査を行ったところ、中国の広東省から輸入した家禽の一群において鳥インフルエンザH7亜型の抗原が陽性でした。手順に従い疫学調査が開始され、販売業者と運転手の
2人が感染した家禽群と濃厚接触があったことが確認されました。家禽の販売業者は13日の早朝に感染した
家禽群をトラックから荷下ろしました。
 検査のために販売業者は病院を紹介され、公衆衛生研究所で行った逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法により、3つの検体から鳥インフルエンザA(H7N9)が陽性と確認されました。現時点でインフルエンザ様の症状はなく、政府の病院において健康監視されており、抗ウイルス薬を内服しています。彼の妻も同じ卸売市場で働いており、濃厚接触があったことが確認されています。妻の検査の結果は陰性であり、現在10日間の健康監視中です。
 2013年以降、国際保健規則(IHR)を通して鳥インフルエンザA(H7N9)の確定診断患者は807人報告
されています。

公衆衛生上の取り組み
 マカオ当局は以下の対策をとっています。
・リスクアセスメントの実施
・症例管理と濃厚接触者の観察
・感染した家禽と濃厚接触のあった運転手を経過観察するために中国本土の当局との連絡
・症例のあった卸売市場の労働者に対するサーベイランスの強化
・症例のあった卸売市場における健康教育の提供
・記者会見の実施による状況と対応に関する情報共有

【出典】
Emergencies preparedness, response
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
Disease outbreak news
19 December 2016
http://www.who.int/csr/don/19-december-2016-2-ah7n9-china/en/