(No.22)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例(221)-タイ
2016年1月29日

 2016年1月24日タイの国際保健規則(IHR)担当窓口は世界保健機関(WHO)に対して、中東呼吸器症候群
コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を1人報告しました。これは同国におけるMERS-CoV感染2例目と
なります。(1例目の詳細は2015年7月13日の感染症情報に記されています)

症例の詳細情報
71歳男性。オマーン国籍で1月22日に同国のバンコクに到着しました。医師の診察を受けるため同国へ
渡航しました。患者はバンコクに着いたらすぐに入院し、1月23日にMERS-CoV陽性が判明しました。
患者には基礎疾患があり、オマーンにおいて1月14日に最初の症状が出現しました。18日に病院へ
入院しましたが、医師の忠告に背いて21日に自己退院しました。退院前に採取された検体からは25日に
MERS-CoV陽性が判明しましたが、患者がオマーンからすでに出国した後となりました。
24日、オマーンのIHR担当窓口がこの患者のオマーンに帰国して医療を受ける必要があるということと
接触歴についての調査について通知しました。患者は発症前14日以内にラクダとの接触歴があることが
調査によって判明しました。この患者とオマーンにおいて最近診断確定された患者と疫学的な繋がりは
立証されていません。
患者のオマーン国内における接触者、同国内へ渡航中とバンコク内での移動中の間の全ての接触者において
現在追跡調査が行われています。
WHOには2012年9月以降、全世界で 1,633人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、そのうち
587人が関連死しています。

【出典】
WHO, WHO, Emergencies preparedness, response.
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Thailand
Disease outbreak news
29 January 2016
http://www.who.int/csr/don/29-january-2016-mers-thailand/en/